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甘い牢獄。映画「ゴーンガール」

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映画 ゴーンガール



▼甘い牢獄。映画「ゴーンガール」



「インターステラー」(169分)、「6才のボクが、大人になるまで。」(165分)
「フューリー」(135分)、「0.5ミリ」(196分)・・・
どうしたことか、今年の映画賞に絡んくる作品は洋邦問わずに長い。
2時間オーバーは当たり前、安藤桃子の「0.5ミリ」に至っては3時間オーバー。
潰瘍性大腸炎を患っている私にはハードルの高い作品ばかりだ。
(映画で中座したくない派なので)
今週末より公開される作品も「ホビット 決戦のゆくえ」(144分)があり
今回紹介する「ゴーンガール」も149分。どうしたんだ映画界。
なるべく2時間にまとめてくれ。

というわけで「ゴーンガール」に話を戻そう。
ギリアン・フリンの同名ベストセラーを映画化したのは
「ゾディアック」「ソーシャル・ネットワーク」デヴィッド・フィンチャー。
主演は「アルゴ」のベン・アフレック、共演は「アウトロー」のロザムンド・パイク。

結婚して今年で5年目を迎えるニックとエイミーは誰もが羨む理想のカップル。
しかし、ニックの親を介護するためミズーリ州の田舎町に引っ越した時から歯車が狂い始める。
5年目の結婚記念日の朝、突然エイミーが姿を消してしまったのだ。
部屋には争った痕跡があり、キッチンからルミノール反応が認められたことから
警察は失踪と他殺の両面で捜査を開始する。
田舎町に不釣り合いなセンセーショナルな事件は瞬く間に話題沸騰となり
全米中からマスコミが殺到する。
最初のうちは愛する妻を奪われた不憫な夫と見られていたニックだったが
捜査が進むうちに不可解な言動や証拠が次々と発見される。
憐れみの視線はやがて疑惑に変わり、ニックは窮地に立たされる。
果たしてエイミーはどこに行ってしまったのか。


地道な捜査活動と、少しずつ明らかになる裏の顔。
起伏の少ない、しかしリズミカルに進む展開の上手さは
さすが「ソーシャル・ネットワーク」や「ゾディアック」のフィンチャー。
「ソーシャル~」ほど早口でもなく「ゾディアック」よりも明快なストーリーのため、
まるで観ている自分までがミズーリの住人のように錯覚し、目が離せなくなる。
本当に近所で発生していれば井戸端会議レベルの事件を
これほどの吸引力でスクリーンに惹き付ける手腕は相当なものだ。

ここ日本でも、結婚とは牢獄だと言われることがある。
出会った頃は多少の粗にも目をつむり、喧嘩すらスパイスに変換させることが出来たが
2年経ち、3年経ち、5年も経った頃にはもうお互いの正体は見えていて、
居ることが当たり前になったスウィートホームは、耳鳴りがするほど静寂な空間へと変わる。
念のために断っておくと私がそうだと言っているわけではないぞ。
酒場で聞かされる愚痴あるあるの上位である。

世の女性はニック(ベン・アフレック)のだらしなさに激怒するだろうが
私はどちらかと言うとニックに同情してしまう。
つま先が震えるほどの背伸びをして、何とか手が届いた高嶺の花(エイミー)。
手に入れた瞬間は嬉しくとも、その後は永遠に身の丈以上の人生を強いられる。
疲れ果てたとき、手身近にあった小さな花が美しく映ったとして誰が責められよう。
田舎町に越してきたことで、思い描いていた理想の生活に影が挿した妻と
故郷に戻り友人や妹もいてどんどん腑抜けになる夫。
この二人の行く末は、是非とも劇場で確かめていただきたい。

見ている最中の熱中度は今年公開のサスペンスでも
トップクラスではあるが、その分だけ抜けも早い。
観賞後もじわじわと胸に残るのは、先日紹介した「デビルズ・ノット」の方が上。
2時間半近くかけて「うん、やっぱり結婚は牢獄だな」と思わされる映画でもあるので
結婚間近のカップルにはお薦めしない。
逆にこれを見てプロポーズするぐらいの覚悟がある夫婦なら上手くいくに違いない。

映画「ゴーンガール」は12月12日公開。(明日11日の夜先行上映もあり)



<デヴィッド・フィンチャー監督作品>


発売中■Blu-ray:「ソーシャル・ネットワーク」
発売中■Blu-ray:「ゾディアック ディレクターズカット」

発売中■Blu-ray:「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
発売中■Blu-ray:「ドラゴン・タトゥーの女」

発売中■Blu-ray:「セブン」
発売中■Blu-ray:「ファイト・クラブ」





ご心配をおかけしました

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12月9日の夕刻よりほぼ丸2日間、
当BLOGが閲覧できない状態になっておりましたが
12月11日の15時頃より無事復旧いたしました。

当BLOGに発生していた症状は以下の通りです。

<外見>
・ブログのURLを入力しても「404エラー」と表示される
・トップ画面のみでなく、過去ログも含めて全て閲覧不可能

<管理>
・管理画面まではログインできるがブログの管理画面に行けない
 (行こうとするとログイン画面に強制的に戻される)
・アクセス解析も障害発生時から止まっている
・記事一覧も確認できず

Q&Aフォームより合計4通ほど質問メールを出しましたが
テンプレート回答が1通来たのみでなかなか状態が改善しないため
本日アメーバへ直接電話連絡をし、その後30分ほどで解決しました。

twitterなどで検索をかけた限りでは
当BLOGと同様の症状は複数の方に発生しているようなのですが
公式のスタッフブログには未だに何のアナウンスもなく
「突然削除された」と勘違いして移転された方や
諦めてしまっている方もいらっしゃるようです。

しかし、今回の障害はアメーバが導入している
『スパムブログ排除のためのツールが誤検知をした』
ことが原因のようで、しかも範囲はかなり限定的のため
障害に引き当たってしまった方それぞれが自発的に動かない限り
なかなか解決しないものと思われます。
何の対策も取らず放置していると
永遠に気づかれないままになってしまう可能性もありますので
当BLOGと同様の症状になっている方は
まずはQ&Aフォームより運営に連絡を取ることを強くお薦めします。

なお、goo版(http://blog.goo.ne.jp/ipod_mini)や
Twitter(https://twitter.com/sinobintage/)に
ご心配の声をお寄せいただきまして、誠にありがとうございました。

今後とも宜しくお願いいたします。

忍之閻魔帳




3DS「シアトリズムドラゴンクエスト」3月26日発売決定、他

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3DS シアトリズム ドラゴンクエスト



▼3DS「シアトリズムドラゴンクエスト」3月26日発売決定


03月26日発売■3DS:「シアトリズムドラゴンクエスト Amazon限定DLC付き」
03月26日発売■3DS:「シアトリズムドラゴンクエスト」

スクエニの誇る看板RPGの音楽を活用したリムズアクションとして
シリーズファンを中心に高い人気を誇る
3DS「シアトリズム ファイナルファンタジー」に続き
もう一方の雄である「ドラゴンクエスト」も「シアトリズム」で発売決定。

シリーズの音楽を手掛けるすぎやまこういち氏の名曲群を
ソフト1本で楽しめるのは嬉しいが、「シアトリズムFF」は
本編とは別に有料の追加コンテンツも大量に用意されていたので
ソフト(5,800円)を購入しただけでどのぐらいのボリュームがあるのか、
マルチプレイには対応しているのかなど、気になる部分も。
この辺は素直に続報を待つしかないか。

ゲーム部分のクオリティに関しては、今回もインディーズ・ゼロなので不安はほぼ無し。

法人別スペシャルコレカ一覧は以下の通り。

★Amazon.co.jp(「キラーマシン」)
★楽天ブックス(「スライムナイト」)
★スクウェア・エニックス e-STORE(「伝説の勇者」)
★テイツー(古本市場)(「ゴールデンスライム」)
★ローソン・ローソンネットショッピング(「アリーナ」)
★Game TSUTAYA・TSUTAYA オンラインショッピング(「ビアンカ」)
★ゲオ(「ゴーレム」)
★上新電機(「あらくれ」)
★イオン(一部取扱い無し)(「キングスライム」)

法人別特典はスクエニの十八番になっているが
今回はあくまでも「先行入手できるコード」なので
普通にプレイしていけばどのカードも手に入るのだろうし
良く使っている法人で選んで問題無さそう。



▼3DS「ブレイブリーセカンド」発売日決定

3DS ブレイブリーセカンド コレクターズパック
<スクエニe-STORE>
04月23日発売■3DS:「ブレイブリーセカンド コレクターズパック」
04月23日発売■3DS:「ブレイブリーセカンド」
<Amazon>
04月23日発売■3DS:「ブレイブリーセカンド Amazon限定DLC付き」
04月23日発売■3DS:「ブレイブリーセカンド」

「シアトリズムDQ」の電撃発表と同時に、
3DSオリジナルRPGの続編「ブレイブリーセカンド」も発売日が決定。
こちらは4月23日。
スクエニe-STORE限定で「コレクターズパック」も発売。

「コレクターズパック」の同梱物は以下の通り。

・ゲームソフト 「ブレイブリーセカンド」
・法王アニエス 特製ミニフィギュア(全長100mm)
・アート&ノベル「ブレイブリーデフォルト 200 years later~風の巫女 イデア・オブリージュ~」
・特製ミニサントラ(Hi-Res DATA CD-ROM)
・特製グッズ「Uの手帳」
・特製 ラバーストラップ(マグノリア)
・特典コード
・ゲーム内で先行して受け取れる剣:トリニティソード(e-STORE限定)



「新世紀エヴァンゲリオン」Huluにて配信開始

新世紀エヴァンゲリオン Hulu
★「Hulu」無料体験受け付け中

コンテンツの充実に力を入れるとの発言通り
このところ日本テレビ系のコンテンツを中心に
ラインナップを増強している「Hulu」に、ついに「新世紀エヴァンゲリオン」が登場。
本日より全26話が配信開始となった。

14巻の発売、来年には旧劇場版がBlu-ray化されるなど
まだまだ話題の尽きない「ヱヴァ」をスマートホンやPCで
気軽に楽しめるのは大きい。
例えBlu-rayを持っていても「●話のこのシーンだけちょっと見たい」が
すぐに実行できるのは「Hulu」の強み。

本日からは他にも「犬夜叉」「結界師」が
最近追加された番組は「TIGER & BUNNY」「魔神英雄伝ワタル」
「名探偵コナン」「宇宙兄弟」「まじっく快斗」「LAST EXILE」
「Peeping Life 手塚プロ・タツノコプロワンダーランド」などなどで
洋物ドラマに特化していた頃に比べアニメがぐっと増えている。

映画でも「銀河鉄道999」「さよなら銀河鉄道999」「わが青春のアルカディア」
「言の葉の庭」「白雪姫と鏡の女王」「魔界転生(深作版)」
「最強のふたり」「ソーシャル・ネットワーク」「SR サイタマノラッパー」と
洋邦も新旧も程良く取り混ぜたラインナップを追加中。


発売中■ETC:「Google Chromecast」

・1アカウントごとの端末上限なし
(PC、タブレット、スマホ、ゲーム機、Chromecast、Apple TV、全て何台でも可)
・別端末での続きを同じアカウントで使用している他の端末で視聴可能

つい先日「Chromecast」にも対応したことで視聴環境がさらに向上した「Hulu」。
当BLOGでも我ながら嘘臭いほどお薦めしているが、
本当に一度体験すればその便利さはお分かりいただけるはず。
騙されたと思ってまずは無料体験を。

★「Hulu」無料体験受け付け中



▼初回のみで出荷完了のamiiboは日本にもある(らしい)


発売中■WiU:「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」

●「一部のamiiboは初期出荷分で終了」の噂に任天堂が回答

海外のニュースをiNSIDEが取り上げていたので少しだけ。

「大乱闘スマッシュブラザーズ」や「マリオカート8」と連動する
「遊べるフィギュア」として任天堂が起ち上げたamiibo。
6日に日本でも発売され、「スマブラ」とのセット購入が多いようだが
残念ながら日本でも初回のみで出荷完了となりそうなキャラが複数あるようだ。
既に流通在庫のみとなりそうなのが、意外にもこちら。


発売中■Wii U/3DS:「amiibo むらびと」

ミリオンの常連「どうぶつの森」シリーズの「むらびと」である。
あくまでも12月10日現在の情報ではあるが可能性は高いらしい。

多数のラインナップが一斉に発売されたamiiboでかなり苦戦を強いられたのがこちら。


発売中■Wii U/3DS:「amiibo ディディーコング」
発売中■Wii U/3DS:「amiibo Wii Fit トレーナー」

当BLOG経由ではなかなりの人気だった「Wii Fit トレーナー」も
一般では厳しかったようだ。
ディディーはまぁ、、、理解はできるか。


発売中■Wii U/3DS:「amiibo リンク」
発売中■Wii U/3DS:「amiibo ピット」

マリオ、カービィといった看板キャラは定期的に追加が上がってきそうだが
ネコ目バージョンの発売が控えるリンクやピットも実は怪しいとのこと。
「amiibo」は全ラインナップを定番商品として並べるのではなく
売れ行きを見ながら常に代謝を繰り返し
新しいものを追加ながら売っていくスタイルなのだろう。


01月22日発売■Wii U/3DS:「amiibo トゥーンリンク」

限定のテディ・ベアに異様なプレ値がついたりするように
今後は「amiibo」の中からも思わぬプレミアキャラが生まれるかも知れない。

結論。お目当てのキャラは売っているうちに買うが吉。




iOS「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」配信開始、他

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▼iOS「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」配信開始

iOS ドラゴンクエストV 天空の花嫁
配信中■iOS:「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」(ユニバーサル)
配信中■iOS:「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」(ユニバーサル)
配信中■iOS:「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」(ユニバーサル)

国民的人気を誇る「ドラクエ」シリーズ中でも随一の人気を誇る
「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」が事前の告知通り配信開始。
「ポータルアプリ」の中でロト三部作は配信済みなので
これで残るは「VI」と「VII」か。


発売中■NDS:「アルティメットヒッツ ドラゴンクエストVI 幻の大地」
発売中■NDS:「アルティメット ヒッツ ドラゴンクエストV 天空の花嫁」
発売中■NDS:「アルティメット ヒッツ ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」

じっくり&快適に遊びたいならDS版が最強。



▼PS4「ドラゴンクエスト メタルスライム エディション」予約再開中


12月13日入荷■PS4:「PlayStation4 ドラゴンクエスト メタルスライム エディション」

発売前に予約完売していた
「PlayStation4 ドラゴンクエスト メタルスライム エディション」が
12月13日入荷分として現在Amazonにて予約再開中。
欲しいけど高いし・・・とお嘆きの方にはこちら。



▼Amazon、12月14日限定でPS4本体の15%引きセールを開催

PlayStation 4 タイムセール Amazon
12月14日限定■PS4:「PlayStation4 本体15%OFFタイムセール開催」

Amazonが12月14日(日曜日)の1日限定でPS4のタイムセールを実施。
セールは朝晩の2回開催で、スケジュールは以下の通り。

1回目:2014年12月14日(日)09:00~PS4本体 グレイシャー・ホワイト
2回目:2014年12月14日(日)19:00~PS4本体 ジェット・ブラック

いずれも数量限定となっているので、どのぐらいの台数が用意されるのかは不明。
現在PS4本体は5%(2,057円)引きで販売されているので
15%となると値引き額は6,476円、値引き後の販売価格は36,701円
PS4用ソフトの1本ぐらい買えてしまうほどの値引き額となる。
このセールでPS3からの乗り換えを検討している方にはこちらも。



▼Amazon買い取りサービスにてゲーム機本体を取り扱い開始

Amazon 買い取り ゲーム機
★Amazon買い取りサービスにてゲーム機本体を取り扱い開始

店頭価格とそれほど開きのない(一部逆転すらある)価格で買い取りをしてくれる
Amazon買い取りサービスにて、ついにゲーム機本体の取り扱いを開始。

驚くのはその価格で、

・Wii U本体(ベーシックセット)で20,094円
・PS3本体(チャコールブラック/500GB)は19,480円
・3DS LL本体各種は12,000~14,000円、3DSでも約1万円

と、買い替えの進んでいるPS3と3DS(LL)に関しては特に高めに設定されている。
さらに、PS3本体の買取が成立した方には
PS4本体購入時に使用できる2,000円分のクーポンがプレゼントされる
買い替え促進キャンペーンも実施中。
タイムセールと買い取りクーポンを併用すれば
PS4が1万強の出費で手に入れられるチャンス。
New3DSへの買い替えを検討している方も一度覗いてみては。



▼3DS「シアトリズムドラゴンクエスト」予約受け付け中


03月26日発売■3DS:「シアトリズムドラゴンクエスト Amazon限定DLC付き」
03月26日発売■3DS:「シアトリズムドラゴンクエスト」
<スクエニe-STORE>
04月23日発売■3DS:「ブレイブリーセカンド コレクターズパック」
04月23日発売■3DS:「ブレイブリーセカンド」
<Amazon>
04月23日発売■3DS:「ブレイブリーセカンド Amazon限定DLC付き」
04月23日発売■3DS:「ブレイブリーセカンド」




全陣営入り乱れての戦絵巻。映画「ホビット 決戦のゆくえ」

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映画 ホビット 決戦のゆくえ



▼楽天大感謝祭、12月13日午前10時開始


★ 12月13日10時スタート:「楽天大感謝祭」

先日スーパーSALEが終わったかと思ったら明日からは大感謝祭とは。
このパターンは今まで無かったような。
今回は参加ショップも限定されているようなので取り敢えず下見してみる。



▼全陣営入り乱れての戦絵巻。映画「ホビット 決戦のゆくえ」



「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの前日憚として
再びピーター・ジャクソンが監督を務めた「ホビット」三部作がいよいよ完結。
J・R・R・トールキンの「ホビットの冒険」を
最新のSFXを駆使して3D映画化した同シリーズは
明日公開の「決戦のゆくえ」で幕を下ろすこととなる。

・イアン・マッケラン(ガンダルフ)
・マーティン・フリーマン(ビルボ・バギンズ)
・リチャード・アーミティッジ(トーリン・オーケンシールド)
・ルーク・エヴァンス(バルド)
・ベネディクト・カンバーバッチ(スマウグの声)
・ケイト・ブランシェット(ガラドリエル)
・クリストファー・リー(サルマン)
・ヒューゴ・ウィーヴィング(エルロンド)
・リー・ペイス(スランドゥイル)
・オーランド・ブルーム(レゴラス)
・エヴァンジェリン・リリー(タウリエル)

通常、続編は前作の直後から始まることは少なく
少し時間を戻したり、全く違う場面からスタートすることが多いのだが
ピーター・ジャクソンは前作「竜に奪われた王国」と本作「決戦のゆくえ」を
連続視聴することを前提とした編集がされていて、まずはそこに驚かされる。
城を飛び立ったスマウグが街へと向かう「竜に奪われた王国」のラストから
本当に数分後から本作はスタートするため、開始1分で興奮度がMAXまで上昇。
心の準備も整わない間に暴れ回るスマウグと
ドラゴンスレイヤーとして、父としての魅力を全開にした
ルーク・エヴァンスの渋さは特筆モノ。

さらに驚くことに、前作であれほど引っ張ったドラゴンはわずか10分ほどで退場し、
残る130分あまりは「ロード・オブ・ザ・リング」への引き継ぎと
シリーズを彩って来た豪華キャストが全陣営入り乱れて総力戦を繰り広げる
圧巻の戦絵巻に注ぎ込まれている。
3D表現についても、確かに美しいが若干違和感もあった前二作から進化して
3Dメガメを使っていることを忘れるほど自然な映像になっている。

ガンダルフとビルボ・バギンズの友情物語と
リーダーとしての資質を身につけるトーリンの成長物語を二本柱とし
脇のキャラクターそれぞれにもしっかり見せ場を用意する周到な脚本。
私的には、出番の少ないガラドリエル(ケイト・ブランシェット)にも
インパクトのあるシーンがあって嬉しかった。
戦につきものの哀しい別れも描きつつ、最後は明るい幕引きになっているのもいい。
本作を観終わると、すぐにでも「ロード」を見返したくなること請け合いの1本だ。



前作でエンディングを担当したエド・シーランも素晴らしかったが
今作では「ロード・オブ・ザ・リング」三部作でピピンを演じていた
ビリー・ボイドが「The Last Goodbye」を歌っていて、これがまた素晴らしい。
お調子者キャラとして知られるピピンは「王の帰還」の劇中でも
歌声を披露していたが、今回はついにエンディングテーマに抜擢。
全六作に渡る冒険譚を終えたキャラクター達を優しく包み込むような歌が染みる。

映画「ホビット 決戦のゆくえ」は明日12月13日より公開。



▼PJのさらなる挑戦。映画「ホビット 思いがけない冒険」


発売中■Blu-ray:「ホビット 思いがけない冒険(廉価版)」
発売中■Blu-ray:「ホビット 思いがけない冒険 エクステンデッド・エディション」

ファンタジーの元祖とも言われているトールキンの「指輪物語」を映画化した
「ロード・オブ・ザ・リング」三部作を世界的なヒットに導いた
ピーター・ジャクソン監督が、「王の帰還」から9年の時を経て再び三部作を開始。
「ロード」へと繋がる前日憚を描いた「ホビットの冒険」は
ガンダルフに協力を求められ、13人のドワーフたちと共に旅に出た
ホビット族のビルボ・バギンズの冒険。

「ロード」三部作の撮影時に40代だったピーター・ジャクソンも今や50代。
いくらかは落ち着きのある作品を送り出してくるのかと思いきや
映画少年のオタク魂がそう簡単に枯れるはずもないのであった。
序章ということもあり、ストーリーは非常にゆったりとした流れ。
冒険に旅立つまでの出会いや準備に1時間ぐらい費やせてしまうのは
最初から三部作が決定している一作目ならではの贅沢さだが
それにしてもやや冗長かなとは思う。
その代わり、2時間を超えたあたりからストーリーは加速度的に面白さを増し
映像もアクションも見逃せない名場面が洪水のように押し寄せる。
観る前は170分は長いと思っていたが、
終わってみればあっという間だったようにも思える不思議さ。



▼畳み掛ける中継ぎ。映画「ホビット 竜に奪われた王国」


発売中■Blu-ray:「ホビット 竜に奪われた王国(廉価版)」
発売中■Blu-ray:「ホビット 竜に奪われた王国 エクステンデッド・エディション」

ピーター・ジャクソン監督の新たな三部作「ホビット」シリーズの第2弾。
「ロード~」シリーズからオーランド・ブルーム扮するレゴラスが参戦するほか、
エヴァンジェリン・リリー、ルーク・エヴァンスといった新キャラクターも。
スマグウの声はベネディクト・カンバーバッチが担当。
前作でも話題になったHFR(ハイフレームレート)3D方式の映像は
PS3からPS4へ代替わりが始まったコンシューマーゲーム機のように
これまでの3D映画からもう一段階上の映像世界を観客に見せてくれる。
高画質の恩恵をストレートに受けて映える部分と
高画質がかえって仇になってしまう部分が共存する問題は解決されておらず
この課題が完結編でクリアされるのか気になるところ。

起承転結で言うところの「承転」にあたる本作では
ドワーフ王国から財宝を奪い去り、今も民衆に恐怖を与え続けている
恐ろしい竜”スマウグ”とビルボ・バギンズとの出会いまでが描かれている。
前作同様序盤がもたつくかと心配したが割と良いテンポで話が進み、
相変わらずの長尺もさほど気にならなかった。
中盤以降は水に炎に金塊にとHFRを駆使した映像に圧倒されっぱなし。
スマグウとの出会い、駆け引き、闘いまで全てが見どころになっている。

完結編に向けての「仕込み」が前作以上に明確になり
「ロード・オブ・ザ・リング」への橋渡しも見え始めた本作は
ストーリー上の盛り上がは言うに及ばず
映像も演出も前作より確実にパワーアップしている。
「こんなところで終わるのか!」と、観客の期待を最大限に膨らませて突入する
エンドロールとそこで流れるテーマソングがまた素晴らしく
中継ぎとしてこれ以上のものは望めないほどの完成度である。




発売中■Blu-ray:「ロード・オブ・ザ・リング スペシャル・エクステンデッド・エディション」
発売中■Blu-ray:「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 スペシャル・エクステンデッド・エディション」




Amazon、12月14日限定でPS4本体の15%引きセールを開催

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▼Amazon、12月14日限定でPS4本体の15%引きセールを開催

PlayStation 4 タイムセール Amazon
12月14日限定■PS4:「PlayStation4 本体15%OFFタイムセール開催」

Amazonが12月14日(日曜日)の1日限定でPS4のタイムセールを実施。
セールは朝晩の2回開催で、スケジュールは以下の通り。


1回目:2014年12月14日(日)09:00~PS4本体 グレイシャー・ホワイト
2回目:2014年12月14日(日)19:00~PS4本体 ジェット・ブラック

いずれも数量限定となっているので、どのぐらいの台数が用意されるのかは不明。
現在PS4本体は5%(2,057円)引きで販売されているので
15%となると値引き額は6,476円、値引き後の販売価格は36,701円
PS4用ソフトの1本ぐらい買えてしまうほどの値引き額となる。
このセールでPS3からの乗り換えを検討している方にはこちらも。



▼Amazon買い取りサービスにてゲーム機本体を取り扱い開始

Amazon 買い取り ゲーム機
★Amazon買い取りサービスにてゲーム機本体を取り扱い開始

店頭価格とそれほど開きのない(一部逆転すらある)価格で買い取りをしてくれる
Amazon買い取りサービスにて、ついにゲーム機本体の取り扱いを開始。

驚くのはその価格で、

・Wii U本体(ベーシックセット)で20,094円
・PS3本体(チャコールブラック/500GB)は19,480円
・3DS LL本体各種は12,000~14,000円、3DSでも約1万円

と、買い替えの進んでいるPS3と3DS(LL)に関しては特に高めに設定されている。
さらに、PS3本体の買取が成立した方には
PS4本体購入時に使用できる2,000円分のクーポンがプレゼントされる
買い替え促進キャンペーンも実施中。
タイムセールと買い取りクーポンを併用すれば
PS4が1万強の出費で手に入れられるチャンス。
New3DSへの買い替えを検討している方も一度覗いてみては。




2014年12月3週発売の新作、DVD「ゲームセンターCX 11」発売、他

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ゲームセンターCX 11 有野課長 よゐこ



▼先週を振り返る

iOS ドラゴンクエストV 天空の花嫁
<APPストア>
配信中■iOS:「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」(ユニバーサル)
配信中■iOS:「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」(ユニバーサル)
配信中■iOS:「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」(ユニバーサル)
<Amazon>
03月26日発売■3DS:「シアトリズムドラゴンクエスト Amazon限定DLC付き」
03月26日発売■3DS:「シアトリズムドラゴンクエスト」
<スクエニe-STORE>
04月23日発売■3DS:「ブレイブリーセカンド コレクターズパック」
04月23日発売■3DS:「ブレイブリーセカンド」
<Amazon>
04月23日発売■3DS:「ブレイブリーセカンド Amazon限定DLC付き」
04月23日発売■3DS:「ブレイブリーセカンド」

先週は「ドラクエ」関連の話題が豊富だった。
「アメトーーク」での特集後にどっさり発売するあたりスクエニも抜け目ない。



Hulu
★「Hulu」2週間無料体験受け付け中
発売中■ETC:「Google Chromecast」

コンテンツの充実がめざましい「Hulu」が
ついに大手映画会社のNBCユニバーサルと提携し
12日より大量の作品が配信開始となっている。
これまでにも「SUITS/スーツ」「Dr. HOUSE」といったユニバーサルのドラマを
配信してきたが、映画は今回が初。
初回のラインナップは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
「ボーン・アイデンティティ」「ジュラシック・パーク」「キング・コング」
「ワイルドスピード」「ジョーズ」など、長く愛されてきた名作がずらり。



▼今週発売のBlu-ray/DVD


12月17日発売■Blu-ray:「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」

ボブ・ディランらと共に1960年代のフォーク・シーンで活躍した
デイヴ・ヴァン・ロンクをモデルにした音楽ドラマをコーエン兄弟が描いた
「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」がBlu-ray化。
才能さえあれば必ず世に出られるわけではないショービズ界の厳しさと
そこで生きた男の姿をユーモア混じりに描いていく。
2013年のカンヌ映画祭ではグランプリを獲得した作品。
出演はオスカー・アイザック、キャリー・マリガン、
ジャスティン・ティンバーレイク、ジョン・グッドマンなど。



「SHAME」「ドライヴ」に続きここでもキラリと光るキャリー・マリガン。
彼女の力量は同じ若手のジェニファー・ローレンスとも互角以上のはずだが
今ひとつ大きな賞レースに顔を出さんな。
おっと、猫好きにも必見。




12月17日発売■Blu-ray:「パシフィック・リム スチールブック仕様」

敬愛するギレルモ・デル・トロ監督がようやく日本で陽の目を見た
記念碑的な作品「パシフィック・リム」が3枚組のスチール仕様で再発売。
特典もデジタルコピーも不要、本編だけで良いなら廉価版も発売中。




12月17日発売■Blu-ray:「ハリー・ポッター ブルーレイ コンプリート セット」
12月17日発売■Blu-ray:「スクリーム トリロジー スペシャル・バリューパック」
12月17日発売■Blu-ray:「ダーティハリー コレクション スペシャル・バリューパック」
12月17日発売■Blu-ray:「マッドマックス トリロジー スペシャル・バリューパック」
12月19日発売■Blu-ray:「ロボコップ コンプリートブルーレイBOX」

年末らしく人気シリーズのまとめBOXが複数同時発売。




12月19日発売■Blu-ray:「渇き。 プレミアム・エディション」

松たか子主演の「告白」が若者を中心に大ヒットした中島哲也監督の新作は
深町秋生の「果てしなき渇き」を映画化したバイオレンス・エンタテインメント。
主演は役所広司、物語の鍵を握る娘には、中島監督も一目惚れした小松菜奈。
共演は妻夫木聡、清水尋也、二階堂ふみ、橋本愛、森川葵、高杉真宙、
國村隼、黒沢あすか、青木崇高、オダギリジョー、中谷美紀など。
アニメーション制作はSTUDIO4℃。

両親が奏でる不協和音によって子どもが壊れてゆくのは
良くあるパターンなのだが、この加奈子の『知られざる顔』は格が違う。
失踪した加奈子を酒浸りの粗暴な父親(元刑事)が追っていくと
同級生や親だけでなく、アブナイ大人をも翻弄する純真で残虐な微笑みを纏った
まさに化物と呼ぶに相応しい裏の顔が次々と明るみにでる。

前作「告白」で精神的な残虐さを追求した中島監督は
本作でビジュアルに訴えかける残虐さに手を伸ばした。
三池崇史か園子温かというほどストレートなバイオレンス表現は
最近監督のファンになった新参組には相当キツかったろう。
私が観ていた時も、途中退席者がゾロゾロいた。
「告白」の延長線の作品を期待して観に行ったら
「冷たい熱帯魚」(園子温)が出てきたようなものである。
PVのような細かなカット割と、ビデオドラッグのようなエフェクト、
流行を巧みに取り入れたサウンドトラックで化粧をしても、
そこで展開するのはどストレートなエログロなのだから
よくもまあ東宝がR15+程度で上映を許可したものだ。
思いっきり身体欠損あったろうに。映倫は居眠りでもしてたのか。

タランティーノの傑作「キル・ビル」を彷彿させるごった煮の面白さを心得てか
役所広司も妻夫木聡もオダギリジョーも天晴のクズっぷり。
繊細な少年(清水尋也)とは対照的に、生も性もリアルに受け止めて
今を生る少女達(二階堂ふみ、橋本愛、森川葵)が眩しい。

久々にパンフレットも購入したし、私としては大好物の作品なのだが
お世辞にも一般向けではなく、なかなかお薦めし辛い。
そんなわけで、公開時には紹介を見送ってしまった。
Blu-rayは映像特典付きの2枚組で劇中で使用された楽曲を収録したサントラCDも付くとか。
パンフレットに載っていたリストに
「そうそう、分かってるな」と思っていた方なら買って良し。




12月17日発売■Blu-ray:「るろうに剣心 京都大火編 豪華版」
12月17日発売■Blu-ray:「るろうに剣心 京都大火編 通常版」
01月21日発売■Blu-ray:「るろうに剣心 伝説の最期編 豪華版」
01月21日発売■Blu-ray:「るろうに剣心 コンプリートBlu-ray BOX」

実写化と聞いただけで批判が殺到するコミック原作モノの中では珍しく
映画ファン、原作ファンの双方から高い評価を受け
累計興収30.1億円のヒットとなった「るろうに剣心」の第2弾がBlu-rayで発売。
二部作の後編にあたる「伝説の最期編」と合わせ累計100億円を突破する
特大ヒットの立役者となったのは、主人公である剣心役の佐藤健。
原作者の和月伸宏(と奥様)も太鼓判を押すハマり役。
共演は武井咲、青木崇高、蒼井優、江口洋介らの続投組に加え
神木隆之介、田中泯、藤原竜也、高橋メアリージュン、土屋太鳳、伊勢谷友介らが登場。
アミューズの大先輩であり、「龍馬伝」でも共演した福山雅治が
ラストシーンにワンカットだけ登場し、続編への橋渡しをしているのも見逃せない。
監督は「ハゲタカ」「龍馬伝」とNHKでクオリティの高い作品を連発してきた大友啓史。

“不殺の誓い”を立て、仲間と共にひっそりと暮らしていた緋村剣心が
再び闘いの場へ駆り出されるまでのお話。
世の中が急激に移り変わりる狭間でボロ雑巾のように扱われ
明治政府への怨みを募らせた志々雄真実の心情をメインに
サブエピソードとして柏崎念至と四乃森蒼紫の関係を描いてゆく。
前作で唯一の難であった一部過剰な芝居と演出はぐっと薄まり、
1本の映画としてのまとまりは前作よりもずっと上。
本作ではまだ本領を発揮しない神木隆之介が仄かに漂わせる狂気や
「たそがれ清兵衛」以来の殺陣が美しい田中泯が特に素晴らしい。
漫画原作の実写化作品として、最高峰と言って良い出来。
前作で十分面白いと感じたファンなら大興奮間違いなし。

続編と3作セットのボックスは来年1月21日に発売。




12月17日発売■Blu-ray:「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」

天才子役としてその名を知らぬ者はいない、芦田愛菜の主演映画がBlu-ray化。
「きいろいゾウ」の西加奈子原作の映像化を手掛けたのは
「今度は愛妻家」「つやのよる」の行定勲。
共演は八嶋智人、羽野晶紀、いしだあゆみ、平幹二朗、丸山隆平など。

私にとって「円卓」はファンタジックホラーだった。
自分を特別な存在だと思っていたわけでは決してなく
むしろ何故他の子のように出来ないのかと劣等感に苛まれることも多かった私にとって
こっこの言葉に出来ない苛立ちやモヤモヤは非常に理解できる。
戸川純の名著「樹液すする、私は虫の女」の中にあった
通学路にある赤い郵便ポストをひと舐めしなければ
学校に行けなかったという行を読んだ時の、言葉にし難い共感に似ている。

円滑なコミュニティを形成する上で、規格外の存在は歓迎されない。
異端であることを長所として伸ばすことが出来れば「天才」ともてはやされるが
多くの場合は単なる変人扱いで終わってしまう。
小さな体内に収まりきらない巨大な自我をコントロールできないこっこが
彼女なりの小さな頭で必死に人生とは何かを問い掛けている姿が涙ぐましい。
それを演じているのが規格外の芦田愛菜だということがリアリティを押し上げている。

「子供の中の大人」と「大人の中の子供」に斬り込んだ本作は
見た目とは裏腹にかなりのディープさ。
ファンタジックな描写も脳内と現実との距離を効果的に見せているし
序盤から出ずっぱりだったジャポニカ学習帳の使い方も上手い。
最後の最後に出て来る「もののけ姫」的なシーンには胸が熱くなった。

多くの方にとって本作は単純なコメディらしく
会場が爆笑に包まれる度に、私は少なからず疎外感を感じていた。
こっこと自分のシンクロ率が高くない人にとっては
本作はただのコメディとしか映らないのかも知れない。
この映画で屈託なくゲラゲラと笑える人は、枠内からはみ出ることなく
スムーズに人生を送って来た幸せな人なのだろう。
それはそれで羨ましい。
でも、私はこっこのジタバタを嗤うのではなく、温かく包み込む大人でありたい。




12月19日発売■DVD:「ゲームセンターCX DVD-BOX 11」

マンネリと言われつつも気がつけば今回で「11」な有野の挑戦集。
メインコンテンツである挑戦リストは以下の通り。

・『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』完全版
・『スーパーチャイニーズ』
・『レッドアリーマーII』
・『メトロクロス』完全版
・『スペースハンター』
・『ファミリートレーナージョギングレース』
・『悪魔城ドラキュラ』(未放送)




12月17日発売■DVD:「ナマイキ! あらびき団 新作公演!? vol.1 ライト東野セレクション 厳選30組」
12月17日発売■DVD:「ナマイキ! あらびき団 新作公演!? vol.2 レフト藤井セレクション 厳選30組」
12月17日発売■DVD:「人志松本のすべらない話 プレミアムライブ」

地上波から撤退し、ネット放送でひっそりと生き延びてきた
「ナマイキ!あらびき団」の総決算を東野・藤井両名によるセレクションで発売。
出演者はマイナー芸人ばかり、製作費も激安のためか価格も1,500円を割る低価格。

「すべらない話」はついに地方巡業を始めたか。
マンネリ打破はけっこうだが進む方向が間違っている気がしてならない。



▼今週発売のアニメ系Blu-ray/コミックなど


12月17日発売■Blu-ray:「結城友奈は勇者である 1」
12月17日発売■Blu-ray:「PSYCHO-PASS サイコパス 2 VOL.1 限定特典付き」
12月17日発売■Blu-ray:「銀魂 Blu-ray Box シーズン其ノ壱 限定版」
12月17日発売■Blu-ray:「ハイキュー!! vol.6 限定版」
12月19日発売■Blu-ray:「ジョジョの奇妙な冒険スターダストクルセイダース Vol.6」



12月19日発売■Blu-ray:「爆走兄弟レッツ&ゴー! ! WGP Blu-ray BOX」
12月19日発売■Blu-ray:「マリア様がみてる Complete Blu-ray BOX」
12月19日発売■Blu-ray:「のだめカンタービレ コンプリートBlu-ray BOX」
12月19日発売■Blu-ray:「銀河鉄道999 テレビシリーズ Blu-ray BOX-6」
12月19日発売■Blu-ray:「銀河鉄道999 テレビシリーズ Blu-ray BOX-7」




12月16日発売■COMIC:「坂本ですが? 3」
12月16日発売■COMIC:「マギ シンドバッドの冒険 5 オリジナルアニメDVD付き特別版」
12月17日発売■COMIC:「聲の形(7)」
12月17日発売■COMIC:「七つの大罪(12)限定版」
12月17日発売■COMIC:「七つの大罪(12)」
12月18日発売■COMIC:「ハヤテのごとく! 43」
12月18日発売■COMIC:「絶対可憐チルドレン 40」
12月19日発売■COMIC:「東京喰種トーキョーグール:re 1」
12月19日発売■COMIC:「REAL 14」



▼今週発売のゲーム


12月18日発売■3DS:「セガ3D復刻アーカイブス」
12月18日発売■3DS:「ソニックトゥーン アイランドアドベンチャー」
12月18日発売■WiU:「ソニックトゥーン 太古の秘宝」

オリジナルへの深い愛情とこだわりをもって旧作の復刻に努めているセガが
3DSで展開している「3D復刻シリーズ」がパッケージソフトになって登場。
気になる収録作品は以下の通り。

・「スペースハリアー」(1985年/AC)
・「ファンタジーゾーン オパオパブラザーズ」(1986年/AC)
・「アウトラン」(1986年/AC)
・「ベアナックル 怒りの鉄拳」(1991年/MD)
・「ザ・スーパー忍II」(1993年/MD)
・「エコー・ザ・ドルフィン」(1993年/MD)

6本入りで3,980円は配信版の単品価格からすればそこそこ・・・と思いきや
オールドファンにはたまらないおまけも2作収録される。

・「スペースハリアー 3D」(1988年/マークIII・マスターシステム)
・「アウトラン 3D」(未発売/マスターシステム)


メガドライブとの移行期に挟まれ、発売予定リストに延々と掲載されたまま
ついに国内発売が無かった(海外では発売された)
マスターシステム版の「アウトラン3D」が26年の歳月を経て収録。
「スペハリ3D」と合わせて、3Dグラスがなくとも立体視で楽しめる。
この2本だけでも買う価値ありと思えるファンは多そうだ。

私的にはメガドラの3本より「ギャラクシーフォースII」や
「アフターバーナーII」を入れて欲しかった気持ちもあるが
配信版のメリットも残すとなればこういったチョイスも止むなしか。
セガがここまで頑張っているのだから、任天堂も「3Dホットラリー」を出してくれんか。




12月18日発売■3DS:「ファイナルファンタジーエクスプローラーズ
早期特典「FF3 オニオン装備」+3DS版「初代FF」のダウンロード番号同梱」

12月18日発売■3DS:「ファイナルファンタジーエクスプローラーズ
早期特典+3DS版「初代FF」のダウンロード番号+Amazon限定特典付き」


「ファイナルファンタジー」の世界観を使ったマルチプレイ対応のアクションが発売。
体験版を遊んだところ、「モンハン」よりはずっと分かり易く
初期の「PSO」を彷彿させるシンプルさがなかなか楽しかった。
Vitaでハンティングアクションをごりごり遊んでいる方には食い足りないだろうが
「FF」の看板に反応する層の中でも初級・中級者をターゲットにしているのだろう。
グラフィック面の粗さは否定できず、もう少し頑張って欲しかった。




12月18日発売■3DS:「12歳。 ~ほんとのキモチ~」

本来のターゲットとは異なる層の大きなお兄さんが反応しそうな
危険極まりない作品がAmazon予約ランキングを上昇中。
不扱いの法人も結構あるので、店頭購入を予定している方は入荷の確認を。




12月18日発売■XB1:「CHAOS;CHILD 限定版」

最後発ハードとは思えない速度で週販3桁に転落し、今も瀕死の状態が続いている
Xbox Oneが年末誇る唯一の大作ソフト。5,000本生産の限定版はメーカー完売。




12月18日発売■PS3:「ゴジラ-GODZILLA-」

映画が7月公開だったので、Blu-rayもクリスマス商戦には
押し込んでくるはずと思っていたのだが残念ながら年を越してしまい
PS3版だけが寂しく今週発売。
初回封入特典はハリウッド版「GODZILLA」が先行解放されるコードと
復刻版フィギュア「ヒートアップゴジラ」。


02月25日発売■Blu-ray:「GODZILLA ゴジラ [2014] 3D & 2D Amazon限定スチールブック仕様」
02月25日発売■Blu-ray:「GODZILLA ゴジラ [2014]」
02月25日発売■Blu-ray:「GODZILLA ゴジラ [2014] 3D & 2D」
02月25日発売■Blu-ray:「GODZILLA ゴジラ [2014]
S.H.MonsterArts GODZILLA [2014] Poster Image Ver.同梱」





12月18日発売■PS3:「ガンダムブレイカー2 初回限定DLC付き」
12月18日発売■PSV:「ガンダムブレイカー2 初回限定DLC付き」

PS3とVitaのマルチで展開していた「ガンダムブレイカー」の第2弾。
前作はPS3版とVita版の発売が4ヶ月ほど開いていたが今作は同日発売。

PS3版「ガンダムブレイカー」初動170,020本/累計240,321本
PSV版「ガンダムブレイカー」初動32,115本/累計44,583本

時差なし+Vitaの勢いを考えれば、「2」ではVita版の比率が上がってくるはず。
「お持ち出しパック」は2万上限。



▼今週発売の新譜


12月17日発売■CD:「バビルサの牙 初回限定盤プラチナSHM / 柴田淳」

カバーアルバムのスマッシュヒットにより新規層の獲得に成功した
柴田淳の待望のニューアルバムが発売。
「科捜研の女」の主題歌に起用された「車窓」を含む全10曲。
初回限定盤はオーディオマニアに向けたプラチナSHM仕様。

<プラチナSHMとは>
・世界初の純プラチナ(Pt1000)反射膜
・特製ターコイズブルー・レーベル
・HR(High Resolution)カッティング




12月17日発売■CD:「かしぶち哲郎 トリビュート ~ハバロフスクを訪ねて」

昨年63歳の若さで亡くなったムーンライダーズの
かしぶち哲郎のトリビュート・アルバムが一周忌にあたる17日に発売。
ムーンライダーズの一員であると同時に作曲家・プロデューサーとしても
数多くのアーティストやアイドルを手掛けてきた氏の作品(400曲以上)の中から
参加ミュージシャンが楽曲を選び命を吹き込んだ。

あがた森魚 / アーバンギャルド / 北村早樹子 / 佐藤奈々子 /
佐藤優介(カメラ=万年筆)/ GOFISHトリオと柴田聡子 / スカート /
鈴木さえ子+TOMISHIRO / 豊田道倫 / 寺尾紗穂 with 松井一平 /
テンテンコ / ピエール・バルー / 松尾清憲 / ムーンライダーズ /
矢野顕子 / 山本精一 /

企画段階では本人もまだ健在だったのだが、残念ながら発売には間に合わず
氏の遺志を引き継いだムーンライダーズが未発表のナンバー「Lily」を完成させた。
岡田有希子の自殺によりシングル盤が発売されることがなかった
「花のイマージュ」も収録されている。(後にベストアルバムに収録)




フジテレビは映画を殺す。映画「バンクーバーの朝日」

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映画 バンクーバーの朝日 妻夫木聡



▼「ワンピース 海賊無双3」「第3次スパロボZ」予約開始


03月26日発売■PS4:「ワンピース 海賊無双3 初回特典DLC付き」
03月26日発売■PS3:「ワンピース 海賊無双3 初回特典DLC付き」
03月26日発売■PSV:「ワンピース 海賊無双3 初回特典DLC付き」
第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇 PS3 PSV
04月02日発売■PS3:「第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇 初回特典DLC付き」
04月02日発売■PSV:「第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇 初回特典DLC付き」



▼フジテレビは映画を殺す。映画「バンクーバーの朝日」

当BLOGでも絶賛した「舟を編む」で日本の映画賞を総嘗めにし、
今年も「ぼくたちの家族」という良作を送り出している
日本映画期待の星・石井裕也監督の最新作は
戦前のカナダ・バンクーバーで結成された
日本人野球チーム「バンクーバー朝日」の活躍と
彼等の置かれていた時代を切り取った感動のドラマ。
選手の大半がこの世を去った2003年にカナダ野球の殿堂入りも果たしている
「バンクーバー朝日」とはどんなチームだったのか。

主演は石井監督の前作「ぼくたちの家族」でも主演を務めた妻夫木聡。
共演は亀梨和也、高畑充希、勝地涼、上地雄輔、大杉漣、石田えり、佐藤浩市など。
「ぼくたちの家族」の池松壮亮、鶴見辰吾、「舟を編む」の宮崎あおい、
「あぜ道のダンディ」の光石研、田口トモロヲ、
「川の底からこんにちは」の岩松了など石井作品の出演者も散見される。



1900年代初頭、海外での成功を夢見た日本人がカナダへと渡っていった。
しかし彼等を待ち受けていたのは、カナダ人の倍働いても給料は半分という厳しい現実。
過酷な肉体労働を強いられるだけでなく、日本人への差別も激しい日々は
次第に日系移民達を疲弊させてゆく。
明るい話題に乏しい生活で唯一の希望となっていたのが
日本人だけで組んだ野球チーム「バンクーバー朝日」。
体格の違う小柄な日本人が大柄なカナダ人を翻弄する姿に熱狂する人々。
やがてその興奮は現地のカナダ人をも巻き込み始め・・・


なぜフジテレビ制作の映画はこうなってしまうのか。

せっかく石井監督を引っ張ってきたなら信じて一任すれば良いものを
「物言う株主」どころか「我が物顔で映画を汚すフジテレビ臭」が至るところに漂っている。
「苦しい生活の中でも必死に生きようとする人々」という
石井作品に共通するテーマは本作でも貫かれているが
意味の無いキャストが多過ぎて焦点が一向に定まらない。
散漫なストーリーはゴールすら定めずにあちこちザッピングするだけで
しかもザッピングした先で何のドラマも起こらない。
ただ「そこにいるだけの人」を映すシーンが無数に挟み込まれ
本来見どころとなるべきチームの成長や仲間との意識変化といった部分が
おざなりになってしまっている。こんな馬鹿な話はなかろう。

豪華キャストを謳うためだけに集められた俳優達の扱いも酷い。
・現地で教師をしている設定だが、ひとことふたことの台詞しかない宮崎あおい
・ふらりとやってきて優しい言葉をかけるだけのユースケ・サンタマリア
・台詞すらなく窓際で微笑むだけの本上まなみ
・そうだと言われなければ気づかない人も多かろう貫地谷しほりや岩松了
原作ではそれなりにストーリーを背負っていそう(未読のため実際どうかは不明)な
キャラクター達は本編と何の絡みもないカメオ出演的なポジションに止まり
そのせいで後半の試合のシーンに全員集まったにも関わらず
球場が一体化するほどの興奮が得られない。

遠いカナダの地で虐げられている人達の生活が
さほどスクリーンに悲愴さとして表れていないのも残念。
確かに重労働をしているシーンは出てくるが
酒場の人々も向け皆そこそこの生活を受け入れているように見えるため
バンクーバー朝日が勝ち上がっていくことが
単に「阪神が好調で喜んでいる関西のおっさん」レベルでしか伝わらないのだ。

チーム全員が吹き替えなしで挑んだという試合のシーンでは、
江戸川東リ卜ルシニアからジャニーズへの転入で
アイドルデビューを果たした亀梨の実力が発揮され
ピッチングシーンでは後方から球筋が見えるような撮り方がされている。
しかし、素晴らしいプレイを台無しにするのがキリリとした眉毛。
亀梨演じるロイの家庭は母子家庭で母親は寝たきり、
ならば生活はチームの誰より困窮しているはずだが
歌舞伎役者の如く不自然に美しく整えれらた眉を見ていると、
どこかに金髪のパトロンでもいて密かに優雅な生活を送っているのではないかと疑わせる。
亀梨ひとりがやたらと目深に帽子を被っているのは
おそらく眉を隠す意図もあったのだろうが、眉ぐらいメイクで何とでもなったろうに。
もっと理解不能なのが上地雄輔。
百歩譲ってアイドルの亀梨は仕方ないにしても、何故お前まで整えとるんじゃい。
断っておくと、亀梨の芝居自体には何の問題もない。
むしろ好演といって良いレベルだった。

これまでの作品からして、石井監督は主人公とその家族に力点を置いて撮りたかったはず。
その片鱗が見てとれるのが、妻夫木の妹を演じた高畑充希(エミー笠原)の存在。
日本人が差別されるカナダで勉学に励み、奨学金による大学進学を夢見ている彼女は
メイドとして働くカナダ人家族にも愛されているが
戦争に突入したことで夢を断たれてしまう。
凛とした佇まいで理不尽な決定に抗議し、覚えたての英語の歌で涙する
エミーこそがこの映画の唯一の見所と言っていい。
先日の「アオハライド」に続き2作品連続で好演の高畑は
来年以降さらに映画の仕事が増えてくるに違いない。

これまでにも何度となく書いてきたことだが、
エキストラレベルの脇役にまで有名な俳優を起用すれば豪華(映画)になるわけではない。
フジテレビは一体いつになったらそれに気づくのか。
監督に石井裕也を、脚本に奥寺佐渡子(八日目の蝉)を、
撮影に近藤龍人(桐島、部活やめるってよ)を起用したなら現場に任せてくれ。
のこのこしゃしゃり出てきて場を荒らすな。
メジャー配給の大作を石井監督がどう撮るのか非常に期待していただけに残念でならない。

映画「バンクーバーの朝日」は12月20日より公開。


発売中■BOOK:「バンクーバー朝日~日系人野球チームの奇跡」
発売中■BOOK:「バンクーバーの朝日(映画ノベライズ)」




発売中■Blu-ray:「舟を編む 通常版」

どこの本屋にも必ず置いている辞書には
世界でも類を見ないほど多彩な表現方法を持つ
日本語の語釈や用例が何十万も収められている。
改訂作業だけでも大変な労力を要する辞書作りにおいて
「新しい辞書作成」という一大事業に携わるのがどれほどのことなのか。
映画「舟を編む」は辞書作成に人生をかけた人々を描いた、2013年を代表する傑作。
主演は「まほろ」シリーズの松田龍平。
共演は「わが母の記」の宮崎あおい、「ゆれる」のオダギリジョー、
「指輪をはめたい」の池脇千鶴、「東京オアシス」の黒木華。
八千草薫、伊佐山ひろ子、渡辺美佐子、小林薫、加藤剛らベテラン勢が
物語に厚みを持たせている。
監督は「川の底からこんにちは」の石井裕也。

私は小さい頃から辞書をめくるのが好きだった。
季語だけの辞書や色の名前だけが載った辞書など、暇さえあればぺらぺらとめくり
知らない言葉をみつけては人前で使ってみたがったりする
今思えばちょっと嫌な子どもだった。
2013年の私はというと、知らない言葉や用途に不安がある場合は
Webで検索するか、iPhoneに入れた辞書アプリのお世話になるぐらいで
紙の辞書はほとんど手に取らなくなってしまった。
分厚い辞書を手にした時のずっしりとした重みも、
ページをめくる時の滑(ぬめ)りの感覚も、そう言えば随分と味わっていない。

映画「舟を編む」を観ると、当たり前にどこの家にもある辞書が
それに携わった人々の情熱が注がれた、れっきとした「作品」であることを
今さらながら思い知らされる。
小説については疑いようもなく書き手の作品だと思っているのに
辞書はただ言葉を寄せ集めただけのもの。
そう思っている方は意外とたくさんいらっしゃるのではないだろうか。

「あ」から始まる言葉の大海原に漕ぎ出し
いつ終わるとも知れない、気の遠くなるような作業を繰り返しながら
(本作の場合は)15年もの歳月を費やしてようやく完成する辞書。
22歳で就職したとして、定年まで勤め上げて38年。
辞書作成を一生の仕事と決めたとしても、改訂作業も入れると生涯に1冊か2冊がせいぜい。
ひとつひとつの言葉の解説に、編者のこだわりや人となりが詰まっていることを
私はこの歳になるまで意識せずにいた。
恥ずかしいと同時に、この映画でそれを知ることが出来て本当に良かった。
地道な作業に情熱と愛着を感じてくれる人がいるからこそ、
私たちはたくさんの言葉を操れるようになっていくのだ。

誤用や略語も一般化すればアリとされるように、言葉は未だ日々変化している。
辞書作りが本当の意味で完成を見る日など、きっと無い。
それでも、人生をかけて言葉を採集し、語釈に頭をひねる人々がいる。
羅針盤が作られている限り、私達は今日も言葉の海を往くことが出来るのだ。




発売中■Blu-ray:「ぼくたちの家族 特別版」

石井監督が20代最後の作品として選んだのが
母親が余命宣告を受けたことをきっかけに
平凡な家族の隠された問題が浮き彫りになってゆく家族ドラマ。
出演は、長塚京三(父)原田美枝子(母)妻夫木聡(長男)池松壮亮(次男)。
共演には黒川芽以、ユースケ・サンタマリア、鶴見辰吾、板谷由夏、市川実日子。

平凡な家族の平凡な日常。
つつがなく暮らしているように見えても、その均衡は家族ひとりひとりが
皆少しずつの秘密を呑み込んだ上に成立した危うさを孕んでいる。
勘付いていても口に出さないのは、優しさであると同時に逃げでもあるのだが
触れさえしなければ永遠に表面化しないなら、
見えないフリでやり過ごそうとするのも理解できる。

もし自分の母親が「余命1週間」と言われたら、あなたならどうするだろうか。
バラバラの家族をまとめる結び目であった母親が
「生きていることが不思議な状態」と言われた日から、元引き蘢りの長男も、
自堕落な生活を送るプー太郎の次男も、多額の借金を抱えた自営業の父も、
家族内のポジションと役割に正面から向き合うことになる。
突然告げられた母親の余命宣告は、家族を強制的に再構築する荒療治として機能する。

全編に渡って救いのない物語のようでもあるが、しかしこの映画は希望に満ちている。
人生は幸と不幸の繰り返し。
どれほどの不幸が降り注ごうとも、どこかに必ず折り返し地点があって
愛する人と手を携えれば必ず乗り越えられる。
希望が見える前に投げてしまってはいけないのだと教えてくれるのだ。

フラを踊る原田美枝子の愛くるしさ
長男の嫁に会いにいく時の長塚京三の不器用さ
ささやかな嘘を吐いてしまう次男の憎めなさ
ラストシーンで見せる妻夫木聡の表情、どれもこれも忘れられない。
2014年の映画賞は主要キャスト4人が全員ノミネートでもおかしくない素晴らしさだった。
通り雨の後には、必ず虹がかかるもの。
家族を見つめ直すには最適の1本。





12月19日限定でXbox Oneが20%OFF、「思い出のマーニー」がBlu-ray化、他

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Xbox One 20%OFF



▼12月19日限定でXbox Oneが20%OFF

Xbox One 20%OFF
12月19日限定■XB1:「Xbox One 限定バージョンが20%OFF 特設ページ」
12月19日限定■XB1:「Xbox One CoDアドバンスド・ウォーフェア リミテッド エディション」

先日大好評のうちに完売したPlayStation4本体に続き、12月19日0時より
「Xbox One CoDアドバンスド・ウォーフェア リミテッド エディション」が
通常価格53,978円の20%OFF(10,795円引き)、43,183円で販売される。
Amazonが今回用意したのは500台とのこと。
100台ぐらいかと思ったら随分と多いな。
これなら現在思案中の人にもかなり行き渡るのではないか。

コンシューマーゲーム機、特に据え置き全般が苦戦している日本市場において
Xbox One本体の超低空飛行は特に深刻。
週販で1万台を超えたのは初週(23,562台)のみで
2週目は3,574台に急落、発売6週目にして3桁へと転落した。
その後もジリ貧の状態は続いており、年末商戦に突入した先週も904台。
9月から3ヶ月が経過した現時点での累計販売台数は42,466台に止まっている。
「GTA」や「タイタンフォール」など人気タイトルを同梱した限定本体を
複数バージョン投入してこの状況なのだから、
今後風向きを変えるためには相当の努力が必要であろうが
そこまでする意欲が日本MSにあるのかが良く分からない。
8年以上に渡り日本のXbox事業を取り仕切ってきた泉水敬氏が
先月末で執行役を退任したことも今後の不透明さを増す要因になっている。


12月18日発売■XB1:「CHAOS;CHILD 限定版」

などなど、色々と不安はあるものの
ちょうど今週発売される「CHAOS;CHILD」のために
本体購入を検討していた方にとっては
限定版のソフト分が丸々浮く値引き率はかなりラッキー。
値引き対象が「CoDアドバンスド・ウォーフェア」の付いたバージョンなので
本体のみでもすぐに遊ぶことが出来るのも嬉しい。
「CHAOS;CHILD」は5,000本生産の限定版が既にメーカー完売。
シリーズを通してプレイしてきた方はタイムセールと共に突撃するのも一興。



▼「思い出のマーニー」がBlu-ray化決定


03月18日発売■Blu-ray:「思い出のマーニー」
03月18日発売■DVD:「思い出のマーニー」

「借りぐらしのアリエッティ」で長編デビューを飾った
米林宏昌監督の2作目となる「思い出のマーニー」がBlu-ray化決定。
心を閉ざした12歳の少女が、謎の少女マーニーとの交流を通して
前向きな心を取り戻す物語。
舞台をイギリスから日本へ変更し、それに伴いストーリーにも多少手が加えられている。
主人公を日本人の少女・杏奈に設定したことの功罪は多々あるが
罪(マーニーの住む洋館で開かれるパーティなど)を打ち消すだけの
功(杏奈の内向的な性格の理由付けが明快になった)がちゃんとあり
最終的にはプラスが多いと感じた。

人の輪の中で上手く立ち回れない杏奈。
家族の輪にも、友達の輪にも上手く入ることが出来ず
その責任を誰かに押し付ける一方で、
実は全てが自分の性格に起因していることも知っている。
不幸を呼び込んでいるのは自分で、悪い箇所もわかっているのに直せない。
そんな苛立ちが彼女をさらに孤立させ、閉じこもった殻の中では
自分が自分に浴びせる罵声が響いている。
思春期に人付き合いで苦悩したり自己否定をした経験のある方ならば、
杏奈の不器用な生き方に心を重ねずにいられないだろう。

原作が児童文学なのでミステリーと言うほど難解な作りではなく
序盤からヒントは散りばめられている。
勘の良い方ならすぐに気付いてしまうだろう。
しかし、本作が教えてくれるものは
『今がどんなに孤独でも、あなたも誰かに愛されてこの世にいるんだよ』
という大らかな愛の姿であり、ミステリーとしての仕掛けが簡単であったとしても
作品そのものの評価を貶めるものではない。
「魔女の宅急便」あたりのジブリ作品が放っていた
良い意味で『重厚でないジブリ』の良さがたくさん詰まっていてオールドファンは感涙モノ。

杏奈の心を映したような空模様の変化が印象的。
北海道に向かう電車の上には厚い雲がかかり、今にも泣きそうだった空が
ラストでは晴れ渡っていた。
思春期の葛藤は、言わば人生の梅雨。
梅雨明けの後には、ひときわ青く高い空が待っている。

最後に声優陣について。
私的には、Wヒロインの二人やビッグネームよりも
丸メガネの少女・彩香を演じた杉咲花が素晴らしかった。




ディズニーマジックを施したマーベル映画「ベイマックス」

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ベイマックス ディズニー 映画 AI BIG HERO 6



▼ディズニーマジックを施したマーベル映画「ベイマックス」

「アナと雪の女王」の世界的なヒットによって勢いづく
ディズニーアニメの最新作「ベイマックス」が今週20日より公開。
サンフランシスコと東京の街並を融合した
架空の都市『サンフランソウキョウ』を舞台に
大好きな兄タダシを火災事故で失った14歳の弟ヒロと、
タダシの忘れ形見として遺されたケアロボット・ベイマックスとの交流を描いた物語。
監督は「くまのプーさん」のドン・ホールと、「ボルト」のクリス・ウィリアムズ。



製作総指揮のジョン・ラセター曰く「これは日本へのラブレター」らしい。
架空の都市とはいえ日本が舞台になっているし、
登場人物も主人公兄弟は日本人名なのでそう受け取れなくもないが
物語の肝は悲しみを乗り越えた少年がヒーローとしての決意を新たにする誕生秘話であり
「スパイダーマン」の序章にも通じるバリバリのアメコミである。

マーベルコミック「BIG HERO 6」の設定をウィキから引用すると

「広島と長崎への原爆投下によって被害を受けた日本は核兵器を廃絶し、
 その代わりに自国を守る手段として超能力を持つ人間を集め、
 ビッグ・ヒーロー・シックスを結成した」


とあり、なかなか過激。
買収される前のマーベルならいざ知らず、ファミリー層に愛される
ディズニーの看板の下ではこの設定のままGOサインが出るはずもなく、
人の心の傷までも治してくれるケアロボットと
兄を失った少年との関係を膨らませて温かみを増強。
さらに可愛いとは言い難いベイマックスのキャラクターデザインも見直して
最新のロボット光学でも研究されている「やわらかいロボット」として再誕。
風刺の利いたアメコミを、誰もが泣ける感動作に化粧直しした
ディズニーマジックがいつにも増して効いている。



「STAND BY ME ドラえもん」の大ヒットからも分かるように
日本でのヒットの条件は「泣けるかどうか」が大きなウェイトを占めているため
本作のプロモーションも「泣ける感動作」として大々的にアピールしているが
先にも述べた通り本作はベイマックスとヒロとの友情を描いた作品であると同時に
「ファンタスティック・フォー」や「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に通じる
ど派手で賑やかなヒーロー活劇としての楽しさも充分あり、
トータルではそれほどしんみりした話ではない。
ディズニーの過去作品でもっとも近いのは「Mr.インクレディブル」ではないか。

「アナ雪」に続く1本として家族全員(特に女児)に勧めるのは少々気が引けるが
パパ&息子のペアで観に行くならかなりお薦め。
映画「ベイマックス」は12月20日より公開。




01月21日発売■Blu-ray:「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー MovieNEX」
01月21日発売■Blu-ray:「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーMovieNEXプラス3D」

「アメコミ映画は大人向けに作るもの」と言わんばかりに
シリアス一辺倒になっている現状に風穴を開ける1本。
「アベンジャー」シリーズを手掛けるマーベルの新作は
トレジャーハンターの“スター・ロード”率いる
銀河の平和を守るために奮闘する笑いてんこ盛りのアクション・アドベンチャー。
主演は「LEGOムービー」で主人公エメットの声を担当していたクリス・プラット。
共演はゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタ、ジョン・C・ライリー、
グレン・クローズ、ベニチオ・デル・トロ。
最凶のアライグマ・ロケットの声には
「アメリカン・ハッスル」のブラッドリー・クーパー、
ほとんど話さないくせに誰よりもキャラの立っているグルートは
「ワイルドスピード」シリーズのヴィン・ディーゼルがキャスティングされている。
監督は「スーパー!」のジェームズ・ガン。
アメリカでは3億ドル突破する大ヒットとなった。

とにかくこの作品、シリアスになり過ぎることを恐れているかのように
話がぐっと盛り上がってくるとギャグを挿入してくる。
絶妙なタイミングの『差し水』が、作中で生きるキャラクター達に
愛さずにはいられない魅力を与えているのだ。
「インディ・ジョーンズ」や「スター・ウォーズ」に胸を躍らせた頃への
タイムスリップを手助けするのは、私の世代にはドンピシャの懐かしいヒット曲の数々。
主人公が肌身離さず持ち歩いているカセットテープが
既製品ではなく自作のオムニバスである点もいい。

リブート版の「スター・トレック」を初めて観たときのようなわくわく感と
”会いに行けるヒーロー”的な親近感は、近年のアメコミ映画の中でも上位に位置する出来。
「パシフィック・リム」に熱狂した方にもお薦め可能。
「マイティ・ソー」との関連を匂わるあたり、
いずれ「アベンジャーズ」本編とも絡んでくるであろうし、早くも続編に期待してしまう。

アメコミ映画がお好きならマスト。
最近のアメコミは複雑で重いからなあ・・・と二の足を踏んでいる方にも
騙されたと思ってご覧いただきたい。




発売中■Blu-ray:「Mr.インクレディブル「アナと雪の女王」オリジナル ギフトバッグ付き」

きっとピクサーはずっとこういうのをやりたかったのだと思う。
ドリームワークスが手掛ける「シュレック2」の好調を横目に見ながら
「ふんっ、あれぐらい自分達にも出来るわい!」と爪を噛んでいたのではないか。
過去のディズニー×ピクサーではあり得なかった
ブラックなテイストを盛り込みつつ、いつも通りファミリーでもきちんと楽しめる。

内容は、「スパイキッズ」を手本にしたようなキャラクター設定、
「スパイダーマン」などのアメコミ映画を思わせる勧善懲悪のストーリー、
「007」シリーズを思わせるアダルトな演出など、
アメリカ人好みの要素がたっぷり詰め込まれているので、アメリカで大受けしたのも当然だ。

今回最も活躍するのは、主役のMr.インクレディブルではなく、
元イラスティガールであるMrs.インクレディブル。
だらしない亭主の尻を叩き、長女ヴァイオレットの悩みに先輩として接する一方で、
暴れたい盛りの長男ダッシュの首根っこもしっかり掴んでいる。
中盤以降はゴムゴムの実を食べたに違いない伸縮自在の体を駆使して大活躍を見せる。
パッとしない図体のデカいパパより
小柄なママがテキパキと家族を束ねるのは世界共通なのかも知れない。
家族のピンチに誰よりも力を発揮するのは、やっぱりママなのだ。

唯一の難点は、スーパーヒーロー時代のインクレディブルの相棒である
フロゾンというキャラクターの存在意義がもうひとつ薄いことだ。
序盤と終盤に少しずつ出て来るのだが、どちらも単に賑やかしに出て来ただけに見えてしまう。
見た目も特殊能力もかなり目を引くキャラクターなので、
あの程度にしか活躍しないのは勿体ない。
インクレディブル以外の家族と絡むエピソードがひとつでもあれば
グッと魅力的なキャラクターになったと思うのだが。

破竹の勢いで拡大するドリームワークスのCGアニメに「待った」をかける傑作だとは思うが、
毒気0(ゼロ)のディズニー映画を期待して劇場に足を運んだ人の中には
「死ぬ」「殺す」という台詞に驚く人もいるだろう。
私的には、本作がディズニー×ピクサーの最高傑作。




発売中■Blu-ray:「アナと雪の女王 MovieNEX iPhone 6 ケース & ギフトバッグ付き」
発売中■Blu-ray:「アナと雪の女王 MovieNEX」
発売中■Blu-ray:「アナと雪の女王 MovieNEX オリジナル ギフトバッグ付き」

セル用Blu-rayの記録を大幅に塗り替えてなおもヒット中の「アナ雪」。
クリスマスシーズンを迎えて売り上げも急再浮上中で、単品はAmazonでも何と2位。
Amazon限定のiPhone6用ケース付きもあり。




映画「The Interview」日本どころか公開そのものが中止へ、他

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ザ・インタビュー The Interview セス・ローゲン ジェームス・フランコ James Franco Seth Rogen 映画



▼今週発売のBlu-ray/DVD


12月17日発売■Blu-ray:「るろうに剣心 京都大火編 豪華版」
12月17日発売■Blu-ray:「るろうに剣心 京都大火編 通常版」
12月18日発売■3DS:「セガ3D復刻アーカイブス」
12月18日発売■3DS:「ファイナルファンタジーエクスプローラーズ」
12月18日発売■PS3:「ガンダムブレイカー2 初回限定DLC付き」
12月18日発売■PSV:「ガンダムブレイカー2 初回限定DLC付き」
12月19日発売■DVD:「ゲームセンターCX DVD-BOX 11」
12月19日発売■Blu-ray:「爆走兄弟レッツ&ゴー! ! WGP Blu-ray BOX」



▼12月19日限定でXbox Oneが20%OFF

Xbox One 20%OFF
12月19日限定■XB1:「Xbox One 限定バージョンが20%OFF 特設ページ」

先日大好評のうちに完売したPlayStation4本体に続き、
「Xbox One CoDアドバンスド・ウォーフェア リミテッド エディション」が
通常価格53,978円の20%OFF(10,795円引き)、43,183円で販売中。
Amazonが当初用意していたのは500台で、昨夜0時の開始から数時間で完売していたのだが
本日昼頃に500台が追加され、17時現在はまだ在庫あり。
下手をすれば500台でも余るだろうと思っていたら予想以上に売れていて驚き。
もう今週はAmazonだけで全国の週販分ぐらい売ってしまったのでは。


12月18日発売■XB1:「CHAOS;CHILD 限定版」

昨日発売された「CHAOS;CHILD」のために
本体購入を検討していた方にとっては
限定版のソフト分が丸々浮く値引き率はラッキー。
値引き対象が「CoDアドバンスド・ウォーフェア」の付いたバージョンなので
本体のみでもすぐに遊ぶことが出来るのも嬉しい。



▼映画「The Interview」日本どころか公開そのものが中止へ

ザ・インタビュー The Interview セス・ローゲン ジェームス・フランコ James Franco Seth Rogen 映画

当BLOGで6月に紹介した「The Interview」という映画を覚えていらっしゃるだろうか。

【関連記事】映画「The Interview」の日本公開はあるのだろうか

「The Interview」は「宇宙人ポール」「50/50(フィフティーフィフティー)の
セス・ローゲンが脚本と監督を務め、「スパイダーマン」「猿の惑星:創世記」の
ジェームズ・フランコが主演を務めることで話題となっていた作品。
ストーリーは、人気トーク番組の司会者とプロデューサーのコンビが
北朝鮮で金正恩にインタビューを行うというもの。
さらにCIAから依頼され、凸凹コンビに金正恩の暗殺命令が下されるというのだから
セス・ローゲンお得意の悪ふざけコメディだったのだろう。



これに対し北朝鮮の外務省報道官は「卑劣な映画」「限界を越えている」
「尊厳を傷つけた」などと猛批判を展開していたが
当のローゲンは反発などとうに織り込み済みなのか
「気に入ってくれるといいな!」と呑気にツイートする余裕ぶりを見せていた。

ところが、事態は急変する。
11月下旬にソニー・ピクチャーズがサイバー攻撃を受け
社員の個人情報や公開前の作品(『ANNIE』『フューリー』など)が
ネットに流出してしまったのだ。
ハッカー集団はさらなる攻撃の用意があるとした上で
「The Interview」の公開差し止めを要求。
従わない場合は上映館に対してテロ攻撃も辞さずと予告されていたため
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントは公開中止を決定した。
なお、今回の措置による被害額は約750万ドル(約8億2,500万円)とのこと。
ソニーの決定の余波は北朝鮮を扱った作品を抱える他社にも及んでおり
表現の自由か安全第一かで今アメリカの映画業界が揺れている。

日本公開は厳しいかと予想していたものの、まさかの公開中止とは。
ただ、アメリカのコメディがしばしばやり過ぎるのも事実で
ブラックユーモアはシャレの通じる相手だけにしておけ、ということで。



▼APPストア情報(12月19日付)

ギャングスターベガス iOS
無料セール中■iOS:「ギャングスター ベガス」(ユニバーサル)

iOS用の箱庭ゲーとしては「GTA」とツートップの人気を誇っている
「ギャングスター ベガス」が初の無料セールを開催中。
ただし容量は1GBを軽く超えるので
DL開始のタイミングと端末の空き容量チェックはお忘れなく。



iOS SimCity BuildIt
配信中■iOS:「SimCity BuildIt」(ユニバーサル)

PC版の発売から待たされてMac版、そこからさらに待ってようやく
iOS版「シムシティ」の最新作が配信開始。ただし基本無料+課金制。
この手の育成SLGは無料で遊べるのは序盤までと相場が決まっているのだが
さてこれはどうだろう。取り敢えずDLしてみた。



iOS FINAL FANTASY VI iOS FF IV: THE AFTER YEARS -月の帰還-
1800円→900円配信中■iOS:「FINAL FANTASY VI」(ユニバーサル)
1800円→900円配信中■iOS:「FINAL FANTASY V」(ユニバーサル)
1800円→900円配信中■iOS:「FF IV: THE AFTER YEARS -月の帰還-」(ユニバーサル)
1800円→900円配信中■iOS:「FINAL FANTASY IV」(ユニバーサル)
1600円→800円配信中■iOS:「FINAL FANTASY III」
1600円→800円配信中■iOS:「FINAL FANTASY III for iPad」
900円→400円配信中■iOS:「FINAL FANTASY II」
900円→400円配信中■iOS:「FINAL FANTASY」

iOSで展開している「ファイナルファンタジー」シリーズが
これまで配信してきた全タイトルを一斉に半額まで値下げ中。
今回ついに「VI」までが半額対象になった。
高額のアプリには手が出ないと思っていた方はこの機会に是非。

1500円→700円■iOS:「FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争」
1600円→800円■iOS:「FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争_for iPad」
1200円→600円■iOS:「クロノ・トリガー」
900円→400円■iOS:「聖剣伝説 2」

その他のスクエニタイトルも半額セール中。
期間は来年1月5日まで。



▼「シン・シティ 復讐の女神」Amazon限定前売り券が発売


01月10日公開■TICKET:「シン・シティ 復讐の女神 プレスキット付き前売券」



「マチェーテ・キルズ」が大コケでも何のその。
タランティーノとW監督を務めた「グラインドハウス」のノリを
未だに引きずり続けるロバート・ロドリゲス監督の最新作が来年1月公開。

最近前売り券もちょこちょこ扱っているAmazonでは
配給会社との共同で特製プレスキットの付いた限定前売り券を販売中。

・全国共通特別前売り券・大人(1,400円)
・「シン・シティ 復讐の女神」特製トランプ
・マスコミ向け・非売品プレスシート(20P)
・特製ポストカード

以上の4点がセットになって1,800円ははっきり言ってお買い得。
前売り券+400円でトランプとプレス(パンフレットのようなもの)なら
ファンにとっては安いぐらいだろう。
前売りが劇場指定ではなく全国共通というのも使い勝手が良くて◎。
限定1,000セットとのことなので、鑑賞予定の方はお早めに。

*商品説明に「プレスシートは郵送の際に半分折いたします」との記載あり。

ついでに前作も少しだけ紹介。


発売中■Blu-ray:「シン・シティ」

「スパイダーマン」や「アベンジャーズ」が一般向けアメコミ映画だとすれば、
「シン・シティ」はディープなアメコミファン向け映画の最高峰である。
公開当時、私も劇場で3回観た。

モノクロを基調とした映像に時折使われる、ペンキをこぼしたような原色が印象的で、
残虐表現を抑えたり妖艶さを増したりと、様々なプラスの効果を生んでいる。
「男の美意識」を3つのエピソードから成るオムニバス形式で見せてくれるのだが、
1章のミッキー・ロークも、2章のクライヴ・オーウェンも、
3章のブルース・ウィリスも、皆腹が立つほどカッコいい。
主人公ではないが、「21g」のベネチオ・デル・トロも
キレたキャラクターを実に楽しそうに演じている。

「復讐の女神」にも登場するジェシカ・アルバ、
32歳という若さで亡くなってしまったブリタニー・マーフィ、
そう言えば最近見かけないジョシュ・ハートネットなど、
当時の人気からすればピンでも主役を張れそうな若手も続々登場するが、
中でも強烈な印象を残すのが、デヴォン青木とイライジャ・ウッド。

ゲームファンにも絶対に通じる面白さなので、少しでも興味の湧いた方は是非ご覧頂きたい。



▼「Hulu」に「ウルトラマン」シリーズが追加

Hulu
★「Hulu」2週間無料体験受け付け中
発売中■ETC:「Google Chromecast」

つい先日、NBCユニバーサルとの提携を発表し洋画を充実させた「Hulu」が
円谷プロダクションとパートナーシップを結んで「ウルトラマン」シリーズの配信を発表。
「ウルトラQ」から「ギンガ」までの作品を順次配信する。
配信作品一覧は以下の通り(★印はHulu初配信作品)

<テレビシリーズ>
ウルトラQ(1966)★
ウルトラマン(1966)
ウルトラセブン(1967)
帰ってきたウルトラマン(1971)
ウルトラマンA(エース)(1972)
ウルトラマンタロウ(1973)★
ウルトラマンレオ(1974)★
ウルトラマン80(エイティ)(1980)★
ウルトラマンガイア(1998)
ウルトラマンコスモス(2001)
ウルトラマンネクサス(2004)
ウルトラマンマックス(2005)
ウルトラマンメビウス(2006)★
ネオ・ウルトラQ(2013)★
ウルトラマンギンガ(2013)★

<映画>
ウルトラマンZOFFY (1984)★
ウルトラマン物語(ストーリー)(1984)★
ウルトラマンゼアス (1996)★
ウルトラマンゼアス2 超人大戦・光と影(1997)★
ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち(1998)★
劇場版 ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT (2001)★
劇場版 ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET (2002)★
ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国(2010)★
ウルトラマンサーガ (2012)

なお、クリスマスが近づいたこともあってか
本日より定番ラブストーリー「ラブアクチュアリー」の配信も開始されている。



▼今週末より公開の映画

「アナと雪の女王」の世界的なヒットによって勢いづく
ディズニーアニメの最新作「ベイマックス」が今週20日より公開。
サンフランシスコと東京の街並を融合した
架空の都市『サンフランソウキョウ』を舞台に
大好きな兄タダシを火災事故で失った14歳の弟ヒロと、
タダシの忘れ形見として遺されたケアロボット・ベイマックスとの交流を描いた物語。
監督は「くまのプーさん」のドン・ホールと、「ボルト」のクリス・ウィリアムズ。



【紹介記事】ディズニーマジックを施したマーベル映画「ベイマックス」



当BLOGでも絶賛した「舟を編む」で日本の映画賞を総嘗めにし、
今年も「ぼくたちの家族」という良作を送り出している
日本映画期待の星・石井裕也監督の最新作は
戦前のカナダ・バンクーバーで結成された
日本人野球チーム「バンクーバー朝日」の活躍と
彼等の置かれていた時代を切り取った感動のドラマ。
選手の大半がこの世を去った2003年にカナダ野球の殿堂入りも果たしている
「バンクーバー朝日」とはどんなチームだったのか。



【紹介記事】フジテレビは映画を殺す。映画「バンクーバーの朝日」




2014年12月4週発売の新作、CD「はっぴいえんどマスターピース」発売、他

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CD はっぴいえんどマスターピース



▼先週を振り返る


03月18日発売■Blu-ray:「思い出のマーニー」
03月18日発売■DVD:「思い出のマーニー」

先週予約が開始された新作で好調なのは、ジブリの最新作「思い出のマーニー」。
宮崎&高畑の「風立ちぬ」「かぐや姫の物語」ほどではないが
劇場用アニメーションとしては上々の出足となっている。



iOS FINAL FANTASY VI iOS FF IV: THE AFTER YEARS -月の帰還-
1800円→900円配信中■iOS:「FINAL FANTASY VI」(ユニバーサル)
1800円→900円配信中■iOS:「FINAL FANTASY V」(ユニバーサル)
1800円→900円配信中■iOS:「FF IV: THE AFTER YEARS -月の帰還-」(ユニバーサル)
1800円→900円配信中■iOS:「FINAL FANTASY IV」(ユニバーサル)
1600円→800円配信中■iOS:「FINAL FANTASY III」
1600円→800円配信中■iOS:「FINAL FANTASY III for iPad」
1500円→700円配信中■iOS:「FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争」
1600円→800円配信中■iOS:「FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争_for iPad」
1200円→600円配信中■iOS:「クロノ・トリガー」
900円→400円配信中■iOS:「聖剣伝説 2」

一昨日より開始されたスクエニのiOS用タイトルセールが好調。
初の半額値下げとなった「FF6」など、人気タイトルばかりなので
年末年始を使ってRPGでもと思っていた方には最適。セールは来年1月5日まで。



▼今週発売の新譜


12月25日発売■CD:「はっぴいえんどマスターピース」

大瀧詠一が亡くなって、気がつけばもう一年が経とうとしている。
付かず離れずの距離で30年以上聴き続けてきたナイアガラサウンドは
大瀧の急逝によって永遠に新作を望むことは出来なくなってしまった。
もともと出る可能性は低かったろうが
達郎のラジオや雑誌のインタビューで大瀧氏の元気そうな姿を確認するだけで
私の中のナイアガラサウンドは昔のままの鮮やかさを保ってきたのだ。
昨年大晦日に飛び込んできた訃報は、エバーグリーンに思えた大瀧詠一の楽曲群に
一抹の寂しさを含ませ、もう昔のように聴けないのかも、、と思っていた。
しかし、今年発売された「Best Always」を聴いて
そんな不安が杞憂であることを知った。
ナイアガラの美しい旋律は、産みの親を失っても色褪せることなく輝き続ける。

そして今週、大瀧詠一の一周忌に合わせるように
はっぴいえんどの作品集「はっぴいえんどマスターピース」が発売。
1970年『はっぴいえんど』、1971年『風街ろまん』の2作パッケージBOXで
音源は英メトロポリス・スタジオにてオリジナルマスターテープから
デジタルリマスタリングを施した。
2作ともアナログ盤・CD・ハイレゾ音源(ダウンロードカード)が用意され
はっぴいえんどの資料集(28ページ予定)や
松本隆の作詞ノートのレプリカ(48ページ予定)も同梱する。

大瀧氏の命日にあたる30日には、はっぴぃえんどのメンバーである
細野晴臣、松本隆、鈴木茂が『風街ろまん』について語る
『名盤ドキュメント(3)はっぴいえんど「風街ろまん」
日本語ロックの金字塔はどう生まれたのか?』がNHK BSプレミアムにて放送予定。


03月20日発売■BOOK:「大瀧詠一Writing & Talking」
03月21日発売■CD:「NIAGARA CD BOOK II 限定盤 / 大瀧詠一」

氏の作品をまとめた最後のボックスとも言える
CD「NIAGARA CD BOOK II」とほぼ同時に、活字によるまとめ本も発売決定。


発売中■CD:「Best Always 限定盤 / 大瀧詠一」
発売中■BOOK:「レコード・コレクターズ 2015年 01月号」

ボックスまで手を出すマニアでないポップスファンならば「Best Always」は必携。
達郎や元春などのコメントがいちいち泣けてくるが、楽曲の素晴らしさは不変。




12月24日発売■Blu-ray:「All about POP CLASSICO / 松任谷由実」
12月24日発売■DVD:「All about POP CLASSICO / 松任谷由実」

松任谷由実が最新アルバム「POP CLASSICO」の発売に合わせて行われた
ツアーの模様を収録した「All about POP CLASSICO」が発売決定。
最終公演である7月16、17、18日の3日間の映像を収録したもので
公演の模様はもちろん、アルバムからツアーまでの制作過程に迫った
インタビュー映像なども収録される予定。
セットリストは以下の通り。

01. Babies are popstar
02. ミラクル
03. 無限の中の一度
04. 今だけを きみだけを
05. 雨のステイション
06. NIGHT WALKER
07. 経る時
08. Hey girl!近くても~一緒に暮らそう~彼から手をひいて
09. Hello, my friend
10. シャンソン
11. 雨に願いを
12. Nobody Else
13. LATE SUMMER LAKE
14. Delphine~MODELE~Delphine
15. Miss BROADCAST
16. WANDERERS
17. Discotheque
18. 青春のリグレット
19. Laughter
20. 愛と遠い日の未来へ
21. ひこうき雲
22. 14番目の月

今回のツアーはステージング面での評価が高く、
篠原ともえのデザインした衣装など見所が多かったのでBlu-ray化は嬉しい。
私的には「雨のステイション」「NIGHT WALKER」「経る時」の流れが最強。




12月24日発売■DVD:「30th anniversary 菊池桃子 in トップテン」

TBSの「ザ・ベストテン」に対抗して日本テレビが始めた
音楽番組「ザ・トップテン」「歌のトップテン」の中から
菊地桃子の出演回だけを集めた映像作品が発売。
DVDは2枚組で、1枚目にはソロ名義でのヒット曲の数々や
ラ・ムーの歌唱シーンが菊池桃子本人のオーディオコメンタリー付きで、
2枚目には日テレ系のバラエティ番組「スーパーJOCKEY」や「うるとら7:00」に
出演した時の映像が収録されるのこと。お宝度で言えば2枚目が貴重か。

山口百恵や中森明菜は「夜のヒットスタジオ」や「ザ・ベストテン」の
ボックスが発売されたが、菊池桃子はさすがに「トップテン」が精一杯か。
「トップテン」は会場のファンがとにかくうるさくて、
時代の空気を思い出すには良くても資料的な価値は低めかもしれない。

Thanks Giving RA MU ラ・ムー
配信中■iTunes:「Thanks Giving / RA MU」

ついでに書いてしまうと、(色んな意味で)伝説的バンドと言われている
ラ・ムーは、音楽的にはそれほど酷いとは思わない。
ダンシングベイビーのような桃子のダンスと不安定なボーカルがミスマッチだっただけで
アルバムの「THANKS GIVING」は実はかなりの名曲揃いの
隠れた名盤というのが私の見解である。異論は受け付けない。




12月23日発売■CD:「歌心 恋心 / 大竹しのぶ」

最近歌手業に力を入れている大竹しのぶの新作は
全11曲を様々なアーティストとのコラボレーションでカバーアルバム。
収録曲は以下の通り( )内はコラボアーティスト

M.1 乙女のワルツ(甲本ヒロト)
M.2 長い髪の少女(あがた森魚)
M.3 キツネ狩りの歌(斉藤和義)
M.4 面影平野(宇崎竜童)
M.5 男と女のお話(鬼龍院翔)
M.6 チューリップのアップリケ(野田洋次郎)
M.7 夜へ急ぐ人(松尾スズキ)
M.8 空がまた暗くなる(清水依与吏)
M.9 五番街のマリーへ(Maynard & Blaise)
M.10 死んだ男の残したものは(長谷川きよし)
M.11 黄昏のビギン(山崎まさよし)

コンセプトとしては泉谷しげるが昨年夏に発売した
「昭和の歌よ、ありがとう」に近く
選曲も昭和の定番曲ばかりだが、コラボ相手がバラエティ豊かで面白い。
あがた森魚、宇崎竜童といった大御所から
斉藤和義、MONKEY MAJIK、山崎まさよしといった中堅どころ、
ゴールデンボンバー、RADWIMPS、back numberら若手まで多岐に渡っていて
飛び道具として松尾スズキまで引っ張り出している。
しかも曲は「夜へ急ぐ人」と来た。一体どんな仕上がりなのだろう。
カバーアルバムマニアとしてはちょっと抑えておきたい1枚だ。




12月24日発売■CD:「趣味の演芸 / 清水ミチコ」

高い音楽的センスと確かなピアノ・テクニックに裏打ちされたモノマネで
女王の座を守り続ける清水ミチコ10枚目のアルバム。
曲目を見る限りやっていることはいつもと変わらないようだが
何がすごいかと言ってこのCD不況においても
こうして清水ミチコが新作を発売できる環境にあることだろう。
メーカーの英断に拍手を贈りたい。



▼今週発売のBlu-ray/DVD


12月23日発売■Blu-ray+DVD:「イントゥ・ザ・ストーム デジタルコピー付き」

竜巻被害の頻発するアメリカらしい、超巨大竜巻が人々を襲うディザスタームービー。
主演は「ホビット」シリーズのリチャード・アーミティッジ。
監督が「ファイナル・デッドブリッジ」のスティーヴン・クエイルだったので
そのことを念頭に置いていた私の期待値はそれほど高くなく
「あんなものやこんなもの、挙げ句にゃこんなものまで」と
竜巻の猛威をスクリーン上で再現することだけに全力を注いだ本作を素直に楽しめた。
ただし、ストーリーはあってないようなもの(実際既に忘れた)なので
家庭で楽しむ際は可能な限りの大画面+臨場感の出せるオーディオ環境で。
面白さの質的に、何となく「クローバーフィールド/HAKAISHA」を思い出した。




12月24日発売■Blu-ray:「複製された男」

当BLOGでも絶賛した「灼熱の魂」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の新作は
ハリウッド進出した前作「プリズナーズ」にも出演した
ジェイク・ギレンホールを主演に据えたサスペンス・ミステリー。
偶然見た映画の中に自分と瓜二つの俳優を見つけた男の物語。



目を背けたくなるほどの悲劇に隠された親子の絆を描いた「灼熱」と、
単純な誘拐モノと思わせて、その背後に潜む
天使と悪魔の闘いまで浮かび上がらせた「プリズナーズ」に続く本作は
リピート鑑賞に耐え得る小技の嵐が見所の、まさに映画マニア向けの1本。
「プリズナーズ」でやや一般向けに舵をきったかに見えたドゥニ・ヴィルヌーヴは
そう簡単にメジャーに迎合しないのであった。
人は選ぶだろうが、前2作が面白かったという方ならお薦め。



▼今週発売のゲーム


12月25日発売■PS4:「シャドウ・オブ・モルドール 初回限定DLC付き」
12月25日発売■XB1:「シャドウ・オブ・モルドール 初回限定DLC付き」
12月25日発売■PS4:「ララ・クロフト アンド テンプル オブ オシリス」



▼今週発売のコミック(Kindle)/アニメ系Blu-ray(DVD)


12月22日発売■COMIC:「機動戦士ガンダムUC バンデシネ 12」
12月22日配信■Kindle:「機動戦士ガンダムUC バンデシネ 12」
12月22日発売■COMIC:「おおきく振りかぶって 24」
12月22日発売■COMIC:「げんしけん 二代目の八 17」
12月22日発売■COMIC:「艦隊これくしょん -艦これ- いつか静かな海で 2」
12月22日発売■COMIC:「アカメが斬る! 11」
12月22日配信■Kindle:「アカメが斬る! 11」
12月25日発売■COMIC:「WORKING! !(13)完」
12月25日発売■COMIC:「WORKING! !(13)描き下ろし日めくりカレンダー付き 特装版」
12月26日発売■BOOK:「ガンダムUC証言集」
12月26日発売■COMIC:「アイアムアヒーロー 16」
12月26日発売■COMIC:「蒼き鋼のアルペジオ 10巻」
12月26日発売■COMIC:「とめはねっ!鈴里高校書道部 13」
12月26日配信■Kindle:「機動戦士ガンダム THE ORIGIN(6)」
12月26日配信■Kindle:「機動戦士ガンダム THE ORIGIN(7)」
12月27日発売■COMIC:「ONE PIECE 76」
12月27日発売■COMIC:「ハイキュー!! 14」
12月27日発売■COMIC:「黒執事 20」
12月29日発売■COMIC:「僕だけがいない街 5」
12月29日配信■Kindle:「僕だけがいない街 5」
12月29日発売■COMIC:「いなり、こんこん、恋いろは。(9)」
12月29日配信■Kindle:「いなり、こんこん、恋いろは。(9)」




12月24日発売■Blu-ray:「クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第1巻」
12月24日発売■Blu-ray:「月刊少女野崎くん 第4巻」
12月24日発売■Blu-ray:「SHIROBAKO 第1巻 初回限定版」
12月24日発売■Blu-ray:「ばらかもん 第四巻」
12月24日発売■Blu-ray:「WORKING!!」「サーバント×サービス」夏祭りだよ!!全員集合」
12月24日発売■Blu-ray:「魔弾の王と戦姫 第1巻」
12月24日発売■Blu-ray:「繰繰れ! コックリさん 第1巻」
12月24日発売■Blu-ray:「ハイスクールD×D Blu-ray BOX」
12月24日発売■Blu-ray:「魔動王グランゾート Blu-ray BOX」

12月25日発売■Blu-ray:「ラブライブ! 2nd Season 7 特装限定版」
12月25日発売■Blu-ray:「ガンダム Gのレコンギスタ 1 特装版 Amazon限定仕様」
12月25日発売■Blu-ray:「∀ガンダム Blu-ray Box II」
12月25日発売■Blu-ray:「グリザイアの果実 第1巻 限定版」
12月26日発売■Blu-ray:「ヨルムンガンド COMPLETE Blu‐ray BOX」
12月26日発売■Blu-ray:「元気爆発ガンバルガー Blu-ray BOX」

12月26日発売■Blu-ray:「新劇場版 頭文字D Legend1 -覚醒- 限定版」
12月26日発売■Blu-ray:「甘城ブリリアントパーク 第1巻 Amazon限定版」
12月26日発売■Blu-ray:「東京喰種トーキョーグール vol.4 特製CD同梱」
12月26日発売■Blu-ray:「異能バトルは日常系のなかで 1 限定版」
12月26日発売■Blu-ray:「ヤマノススメ セカンドシーズン 4巻」
12月26日発売■Blu-ray:「ガンバの冒険 Blu-ray BOX」
12月26日発売■Blu-ray:「破裏拳ポリマー Blu-ray BOX」
12月26日発売■Blu-ray:「忍者戦士飛影 Blu-ray BOX」




年末恒例、APPストアセールが拡大中

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▼年末恒例、APPストアセールが拡大中

年末恒例となっているAPPストアのセールが拡大中。
コンシューマー顔負けの大作から秀逸なアイディアを活かした小作品まで
多くのタイトルが100円ポッキリか、高くても500円までで手に入るのだから
2,000円もあればあっという間にアプリ長者になれる。

Goat Simulator iOS iOS レオズ・フォーチュン
500円→100円■iOS:「Goat Simulator」(ユニバーサル)
500円→100円■iOS:「レオズ・フォーチュン」(ユニバーサル)
iOS Valiant Hearts_ The Great War iOS Farming Simulator 14
500円→100円■iOS:「Valiant Hearts: The Great War」(ユニバーサル)
300円→100円■iOS:「Farming Simulator 14」(ユニバーサル)
iOS Hitman GO iOS Infinity Blade III
500円→100円■iOS:「Hitman GO」(ユニバーサル)
700円→100円■iOS:「Infinity Blade III」(ユニバーサル)
700円→100円■iOS:「アメイジング・スパイダーマン2」(ユニバーサル)
500円→100円■iOS:「Sky Gamblers: Storm Raiders」(ユニバーサル)
300円→100円■iOS:「Rayman Fiesta Run」(ユニバーサル)
300円→100円■iOS:「Kingdom Rush Frontiers」
300円→100円■iOS:「Kingdom Rush Origins」
300円→100円■iOS:「Kingdom Rush」
300円→100円■iOS:「Fieldrunners 2」
300円→100円■iOS:「Flick Tennis」

ストアランキング上位の常連であり、高い評価を受けている名作群から。
1位を獲得したこともある「Goat Simulator」や「Infinity Blade III」など全てが100円。
「Valiant Hearts」はストーリー、演出ともにiOSではトップクラスだが
価格は序章のみで続きは有料。しかしそれだけの価値がある。



iOS BioShock iOS XCOM: Enemy Within
1100円→500円■iOS:「BioShock」(ユニバーサル)
1300円→700円■iOS:「XCOM: Enemy Within」(ユニバーサル)

iOS Tengami iOS バッドランド BADLAND
500円→200円■iOS:「Tengami」(ユニバーサル)
400円→200円■iOS:「バッドランド (BADLAND)」
500円→300円■iOS:「グランド・セフト・オート:チャイナタウン・ウォーズ 日本語版」
500円→300円■iOS:「Kingdom Rush Frontiers HD」(iPad)
500円→300円■iOS:「Kingdom Rush Origins HD」(iPad)
500円→300円■iOS:「Fieldrunners 2 HD」(iPad)
500円→300円■iOS:「Machinarium」(ユニバーサル)
500円→300円■iOS:「Skulls of the Shogun」(ユニバーサル)

100円ではないものの、買い得度の高いアプリはこちら。
「Kingdom Rush」シリーズはiPhone版が100円、iPad版は300円に値下げ。
2Kの2作は少々お高いが、それでも元値(1100円/1300円)や
クオリティを考えればかなりリーズナブル。
独特の世界観が魅力の和風AVG「Tengami」は
クリアまでの所用時間が短い分、この価格ならよりお薦めし易い。



Facetune iOS
400円→100円■iOS:「Facetune」
500円→100円■iOS:「Facetune for iPad」
500円→100円■iOS:「GoodReader」(ユニバーサル)
300円→100円■iOS:「Scanner Pro by Readdle」
700円→無料■iOS:「Splashtop Remote Desktop for iPhone & iPod」

非ゲームアプリの中で断トツにお薦めなのは
撮影した写真を瞬く間に美しく修正できる「Facetune」。
肌質、色味、証明、赤目など、全てを簡単操作で補正できる写真アプリの最高峰。
輪郭まで変えられてしまうので、これで誰でもアー写並の写真を作ることができる。
元値の400円でも安いぐらいのクオリティ。



iOS 逆転裁判 5
2,000円→1,000円■iOS:「逆転裁判5」(ユニバーサル)

カプコンの人気AVG「逆転裁判5」が半額の1,000円に。
といっても本作は序章無料+続きの章を購入するスタイル。
最終章までのセットが通常2,000円から1,000円に値下げされている。
セール期間は来年1月4日まで。



iOS FINAL FANTASY VI iOS FF IV: THE AFTER YEARS -月の帰還-
1800円→900円配信中■iOS:「FINAL FANTASY VI」(ユニバーサル)
1800円→900円配信中■iOS:「FINAL FANTASY V」(ユニバーサル)
1800円→900円配信中■iOS:「FF IV: THE AFTER YEARS -月の帰還-」(ユニバーサル)
1800円→900円配信中■iOS:「FINAL FANTASY IV」(ユニバーサル)
1600円→800円配信中■iOS:「FINAL FANTASY III」
1600円→800円配信中■iOS:「FINAL FANTASY III for iPad」
900円→400円配信中■iOS:「FINAL FANTASY II」
900円→400円配信中■iOS:「FINAL FANTASY」

スクエニのセールも引き続き好調。期間は来年1月5日まで。

1500円→700円■iOS:「FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争」
1600円→800円■iOS:「FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争_for iPad」
1200円→600円■iOS:「クロノ・トリガー」
900円→400円■iOS:「聖剣伝説 2」




2014年の映画を振り返る(1月・2月編)

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▼2014年の映画を振り返る(1月・2月編)

今年も残すところあと1週間に迫ったので
昨年末にもやった鑑賞作品のまとめをポツポツやってみたい。
映画は不思議なもので、見終わってすぐ「最高!」だったものが
数ヶ月も経つと意外なほど記憶に残っていなかったり
逆に見終わってからどんどん印象が良くなったりと
ウィスキーのように時間経過で変わってゆくもの。
今ここで一気に振り返ったところで、1月2月頃の作品は既にしっかり熟成されているし
11月12月公開作品はまだこれからどうなるかは分からない。
その辺も映画の愉しみだったりするのだ。



<1月10日公開>


大脱出

スタローン&シュワちゃんのジジィ競演による
「プリズン・ブレイク」系の脱出アクション。
老いても元気で何より。


インシディアス 第2章

「死霊館」のジェームズ・ワン&リー・ワネルが仕掛ける
オカルトホラーの第2弾。序章からの伏線もばっちり回収して上々の仕上がり。



<1月11日公開>


トリック劇場版 ラストステージ

良くも悪くも最後まで一定以上の域には達せず。
「SPEC」も終了して堤幸彦もそろそろ終わりか。

ジャッジ!  Blu-ray
ジャッジ!

CM業界で話題の作品を手掛ける永井聡が
ソフトバンクCMでお馴染みの澤本嘉光脚本の力を借りて監督デビュー。
内幕を良く知る広告業界を題材にしたコメディだが
日本万歳でオチをつけるのは手前ミソでちょっと興醒め。


ソウルガールズ

差別の激しかった1960年代のオーストラリアで活躍した
アボリジニ出身の女性ボーカルグループ・サファイアズの姿を描いたドラマ。
戦地を回ってソウルを歌い、兵隊達から絶大な支持を受けた三姉妹が
否応なしに戦火に巻き込まれてゆくのは何とも哀しい。
「ドリームガールズ」ほどのメジャー性はないものの、見て損はない。



<1月18日公開>


黒執事

今となっては「るろうに剣心」の絶賛を倍増させる養分にしかならなかった失敗作。
進路も退路も断たれた水嶋ヒロは今やすっかりインスタ芸人に。


エンダーのゲーム

ヱヴァの庵野監督にも影響を与えたと言われているSF小説の映画化。
鬱々とした主人公などキャラ設定の共通点はあるものの
全体的に全てが順調に進み過ぎて成長物語としての感動が薄い。


バイロケーション

「零」でも監督を務めた安里麻里によるサスペンスホラー。
予告編で良くあるドッペルゲンガーモノと思わせておいて
中盤以降のネタバラシには思わず唸らされる。
注意深く見ていれば序盤からあちらこちらに伏線が張られているので
2回(以上)見るとより楽しめるはず。


ビフォア・ミッドナイト

9年周期で新作が作られている「ビフォア」シリーズの第3弾。
一組みの男女を追い続ける制作方針は現在公開中の
「6才のボクが、大人になるまで。」にも通じるが
何と2作ともにイーサン・ホークが出演している。
大作にこだわらない作品選びと1本にかける情熱が素晴らしい。
早回しもキャスト変更もせずに映画の中でリアルな人生を描く手法に拍手。



<1月25日公開>


V/H/S ネクストレベル

まだまだ出て来るPOV系ホラー。
最後のエピソード以外まるでピンと来なかった前作とは打って変わって
今回はアタリの章が多く、ストーリーや演出も向上している。
オムニバスホラーの中では中の上ぐらいか。


ゲノムハザード ある天才科学者の5日間

今年1年でドカンと露出が増えた西島秀俊だが
需要は鍛えられた肉体だけであり、役者としては魅力も数字も持っていないことが
本作や「MOZU」の大コケで露呈してしまった。
シナリオは無茶苦茶、演出はVシネレベルで正直辛い。
単館系中心で実直な芝居を見せていた頃の彼はどこへいってしまったのか。
大河の出演が決まった堺雅人の代役として「半沢」の続編をやるとの話もあるようだが
頼むから止めてくれ。絶対に務まらない。


小さいおうち

中島京子の同名小説を山田洋次監督が映画化したドラマ。
金持ちの家で女中をしていた主人公の回想録になっていて
現在を倍賞千恵子が、若かりし頃を黒木華が演じている。
気位が高く美しい松たか子、口さがない叔母を好演する室井滋など
役者が皆適材適所で、山田洋次作品ならではの安定感。
「長く生き過ぎたの」とさめざめ泣くタキ(倍賞)の言葉には
今の日本が進もうとしている道への警鐘が込められている。
ヒロイックな演出に終始した「永遠の0」とは対極に位置する作品。


ヌイグルマーZ

今年は2作も公開された井口昇監督作品。
大槻ケンヂの小説『縫製人間ヌイグルマー』を中川翔子の主演で実写映画化したもの。
海の向こうで大人気の毒舌クマ・テッドには敵わないものの
チープさを逆手にとったヌイグルマーには憎めない味がある。


7番房の奇跡

知的障害を持つ父親と娘の愛を描いた感動作。
無実の罪で逮捕され、愛する娘と離ればなれになってしまった主人公が
同じ7番房の囚人仲間の助けを借りて再会を果たす。
厳しさと明るさを交互に描く韓国映画らしい作品。



<1月31日公開>


ウルフ・オブ・ウォールストリート

90年代のウォール街で名を馳せた実在の株式ブローカー、
ジョーダン・ベルフォートの半生記。
賞穫りへの下心を上手く隠したスコセッシの演出と
下品な男を演じ切ったディカプリオの奮闘は評価するが、
物語に緩急が乏しくあとひと味足りない気も。力作ではある。


アメリカン・ハッスル

ここ最近オスカーの常連になりつつあるデヴィッド・O・ラッセル監督の最新作は
1979年に実際に起こった大物政治家らによる収賄スキャンダル
「アブスキャム事件」をベースにしたフィクション。
ラッセル監督らしい遊び心が至るところに散りばめられ
仕掛ける側も仕掛けられる側も愛嬌たっぷりのキャラクターばかり。
クリスチャン・ベイル、エイミー・アダムス、ブラッドリー・クーパー、
ジェニファー・ローレンス、ロバート・デ=ニーロら
そうそうたるキャストの競演も見物だが、
これほどの面子でもやはりジェニファー・ローレンスがかっさらってゆくのであった。



<2月1日公開>


マイティ・ソー / ダーク・ワールド

アベンジャーズいちの暴れん坊王子の第2弾。
前作からぐっとメジャー路線に進化して、ロキとの確執も明確に。
続編としては理想的な展開。


僕は友達が少ない

こんなものもありましたね。(過去ログ参照


抱きしめたい -真実の物語-

北川景子が頑張ってたぐらいしか記憶にございません。



<2月7日公開>


スノーピアサー

満を持してハリウッド進出を果たした
韓国映画界のリーサル・ウェポンことポン・ジュノの最新作。
フランスのグラフィック・ノベルをベースに
ポン・ジュノらしいエッセンスを散りばめた泥臭いSFになっている。
ジュノの守護神ソン・ガンホが圧倒的な存在感。


ラッシュ/プライドと友情

近年はドキュメンタリーに傾倒していたロン・ハワードが
宿命のライバルと呼ばれていたF1レーサー、
ジェームズ・ハント&ニキ・ラウダの激突と友情を描いた感動作。
クリス・ヘムズワースもダニエル・ブリュールもハマり役。



<2月15日公開>


土竜(モグラ)の唄 潜入捜査官 REIJI

いつだってフルスイングな三池崇史が
出塁優先でバントをしたようなどうも煮え切らないコメディ。
はっきり言えば園子温の「地獄でなぜ悪い」の劣化版。
「地獄でなぜ悪い」で星野源や長谷川博己が見せたような
鮮烈な魅力がこの作品にはない。


大統領の執事の涙

「プレシャス」のリー・ダニエルズ監督の新作は
7人の歴代大統領に仕えてきた黒人執事セシル・ゲインズの伝記ドラマ。
アフリカ系アメリカ人の20世紀をひとりの執事の目を通して振り返りながら、
未だ完全解決には程遠い黒人差別問題にひと区切りをつける作品。
誰よりも深く、身を以て黒人差別を経験していたセシルが
昇級なし、給料は白人以下という冷遇に耐えながら
執事に課せられた使命「空気で居ること」を頑に守り続ける姿に胸が熱くなる。



<2月22日公開>


キック・アス/ジャスティス・フォーエバー

成長期に入った少女に恥じらいが芽生えるように
前作ほどスカッとした楽しさはないもののまだギリギリ賞味期限内。
ただし町山智浩に監修を任せるのはそろそろ止めろ。言葉選びがダサい。


東京難民

ふとしたきっかけで学籍も部屋も失い、
転がるように「当たり前の生活」から遠のいてゆく若者の姿を
「陽はまた昇る」「半落ち」の佐々部清監督が描いた社会派のドラマ。
都会に生活する若者の孤独や恐怖を描くのは序盤の20分ほどで
主人公がホストクラブに勤め始めてからは舞台が完全に
水商売あるあるに移ってしまうのが惜しい。
中村蒼は頑張っているが、山本美月が意外な掘り出し物。


ジョバンニの島

悪い意味で文部省推薦臭のする感動作。
アニメである必要がほぼ無いので、これは実写で見たかった。


ダラス・バイヤーズクラブ

マシュー・マコノヒーが念願のオスカー主演男優賞を獲得したドラマ。
テキサス州ダラスで酒と女に溺れていたカウボーイ、ロン・ウッドルーフの物語。
HIV宣告を受けたロンが失意のどん底で生への執着をたぎらせ、
どんな手段を使っても生き延びようと行動を開始する姿を描いている。
人前では決して強気な姿勢を崩さないが
ひとりきりになった車内でふと涙が抑え切れなくなるなど
不安定な心の内と、屈強な男としての体裁とで揺れる
主人公を演じたマシュー・マコノヒーは受賞に相応しいが
ロンと共に「ダラス・バイヤーズ・クラブ」を運営する
レイヨン(ジャレッド・レトー)がまた素晴らしい演技を見せてくれる。



<2月28日公開>


ホビット 竜に奪われた王国

起承転結で言うところの「承転」にあたる三部作の二作目。
ドワーフ王国から財宝を奪い去り、今も民衆に恐怖を与え続けている
恐ろしい竜”スマウグ”とビルボ・バギンズとの出会いまでが描かれている。
中盤以降は水に炎に金塊にと最新技術を駆使した映像に圧倒されっぱなし。
スマグウとの出会い、駆け引き、闘いまで全てが見どころになっている。


ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅

カッコいいだけじゃない男の生き様を描かせたら
ハリウッドNo.1と言っても過言ではないアレクサンダー・ペイン監督の最新作は
老いた父とその息子のロードムービー。
悪役で名を馳せたブルース・ダーンがモノクロのスクリーンの中で
チャーミングな爺さんを好演しているのが微笑ましい。



▼APPストアセール拡大中

Goat Simulator iOS iOS レオズ・フォーチュン iOS Valiant Hearts_ The Great War iOS Farming Simulator 14
500円→100円■iOS:「Goat Simulator」(ユニバーサル)
500円→100円■iOS:「レオズ・フォーチュン」(ユニバーサル)
500円→100円■iOS:「Valiant Hearts: The Great War」(ユニバーサル)
300円→100円■iOS:「Farming Simulator 14」(ユニバーサル)
iOS Hitman GO iOS Infinity Blade III iOS BioShock iOS XCOM: Enemy Within
500円→100円■iOS:「Hitman GO」(ユニバーサル)
700円→100円■iOS:「Infinity Blade III」(ユニバーサル)
700円→100円■iOS:「アメイジング・スパイダーマン2」(ユニバーサル)
1100円→500円■iOS:「BioShock」(ユニバーサル)
1300円→700円■iOS:「XCOM: Enemy Within」(ユニバーサル)
iOS Tengami iOS バッドランド BADLAND iOS 逆転裁判 5 iOS FINAL FANTASY VI
500円→200円■iOS:「Tengami」(ユニバーサル)
400円→200円■iOS:「バッドランド (BADLAND)」
500円→300円■iOS:「グランド・セフト・オート:チャイナタウン・ウォーズ 日本語版」
400円→100円■iOS:「Facetune」
500円→100円■iOS:「Facetune for iPad」
2,000円→1,000円■iOS:「逆転裁判5」(ユニバーサル)
1800円→900円■iOS:「FINAL FANTASY VI」(ユニバーサル)
1800円→900円■iOS:「FINAL FANTASY V」(ユニバーサル)
1800円→900円■iOS:「FF IV: THE AFTER YEARS -月の帰還-」(ユニバーサル)
1800円→900円■iOS:「FINAL FANTASY IV」(ユニバーサル)
1600円→800円■iOS:「FINAL FANTASY III」
1600円→800円■iOS:「FINAL FANTASY III for iPad」
1500円→700円■iOS:「FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争」
1600円→800円■iOS:「FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争_for iPad」
1200円→600円■iOS:「クロノ・トリガー」
900円→400円■iOS:「聖剣伝説 2」




2014年の映画を振り返る(3月・4月編)

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2014年3月4月 映画まとめ



▼2014年の映画を振り返る(3月・4月編)

「アナ雪」旋風が映画業界を席巻していた3月4月ではあるが
洋邦で今年を代表する良作がいくつも公開された豊作の時期でもあった。
ドラマ派生の映画が幅を利かせる邦画は
「大人ドロップ」のような作品が埋もれてしまう一方で
口コミ効果によって「白ゆき姫殺人事件」がスマッシュヒットしたのが嬉しかった。

2014年度の年間映画興行ランキングTOP10は以下の通り。

01位「アナと雪の女王」(254億7000万円)
02位「永遠の0」(87億6000万円)
03位「STAND BY ME ドラえもん」(83億8000万円)
04位「マレフィセント」(65億3000万円)
05位「るろうに剣心 京都大火編」(52億1000万円)
06位「テルマエ・ロマエII」(44億2000万円)
07位「るろうに剣心 伝説の最後編」(43億3000万円)
08位「ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVlE」(42億6000万円)
09位「名探偵コナン 異次元の狙撃手」(41億1000万円)
10位「ドラえもん 新・のび太の大魔境 ~ペコと5人の探検隊~」(35億8000万円)

毎年のことながらコミック原作と子供向けアニメが大半を占める中で
「永遠の0」の2位は大健闘だが、何故こんなものがという思いも捨て切れない。



<3月1日公開>


劇場版「猫侍」

ドラマファン用のグッズ的な作品。映画未満。


魔女の宅急便

ジブリ(宮崎駿)の凄さを間接的に知らしめる実写化。
原作者のお墨付きながらアニメ版には遠く及ばず。


マチェーテ・キルズ

「グラインドハウス」から生まれた「嘘から出たまことヒーロー」
怪力バカなマチェーテの第2弾。
バカバカしさと無駄な豪華さは前作比120%に増量するも興収は惨敗。
しかし、マチェーテはこれでいいのだ。
コケてもめげるなロドリゲス。次は本当に宇宙にいってくれ。


愛の渦

都会の片隅で毎夜繰り返される、性の宴を描いたドラマ。
乱交パーティが題材のためセックスシーンてんこ盛りで18禁も納得の露出ぶりだが
隔離された空間の秘め事にしては皆どこか大人しい。
実際はこんなもんではないはず。
若手ホープの池松壮亮と門脇麦は良くぞこれに出た。出ただけで敢闘賞。



<3月7日公開>


銀の匙 Silver Spoon

「麦子さんと」の吉田恵輔監督のメジャー進出第1弾。
人気コミックの実写化だが、吉田監督らしさはちゃっかり残している。
ジャニーズながら中島健人はなかなかのハマり役だった。広瀬アリスのどっしり感も良し。


それでも夜は明ける

1841年にワシントンD.C.で誘拐され、12年間に渡る奴隷生活を強いられた
実在の人物ソロモン・ノーサップの手記「Twelve Years a Slave」の映画化。
監督は「SHAME」で世界から注目された新鋭スティーヴ・マックィーン。
本作が長編デビューのルピタ・ニョンゴが助演女優賞を獲得した。

リンカーンが奴隷解放宣言を出す1862年まで常識としてまかり通っていた
奴隷制度と黒人差別の歴史について、これまで何度も映画で描かれてきたが
本作が決定的に異なるのは主人公のソロモン・ノーサップが
最後まで「間違われた人物」だと自覚している点である。
12年間の奴隷生活は彼にとって「信じられない不運」であり
この出来事がなければ、後に差別撤廃運動をサポートすることも無かったろう。
そう考えると、もしかしたらスティーヴ・マックィーンは
黒人による黒人差別までを視野に入れてこの映画を撮ったのではないだろうか。
黒人主導の白人批判ではなく、黒人主導の無自覚批判こそが主題のように思える。

拷問のシーンなどはちょっとしたホラー映画を超越するレベルであり
タランティーノ監督の「ジャンゴ」ほどのエンタメ性もなければ
「大統領執事の涙」ほど万人向けの作品でもない。そこだけ注意。


偉大なるしゅららぼん

万城目学原作の同名原作を濱田岳と岡田将生で映画化。
ストーリーは「鴨川」と「トヨトミ」のミックスといった感じ。
濱田岳や深田恭子といったキワモノ的なキャラクターにおろおろしながら
少しずつ日出家の人間と馴染み、能力を覚醒させてゆく岡田将生がハマり役。
指導役の貫地谷しほり、長年日出家で船頭を務める笹野高史もぴったり。
過度の期待さえしなければまずまず。


パズル

今年、山田悠介原作を2本続けて映画化した角川映画は2本ともアタリ。
「箱入り息子の恋」の夏帆と「日々ロック」の野村周平主演による本作は
スプラッター色の強い学園スリラー。
「先生を流産させる会」で話題をさらった内藤瑛亮を抜擢しただけあり
音楽も演出も何もかもがメジャーに迎合しない尖ったセンスでかなりツボ。



<3月14日公開>


アナと雪の女王

今年の顔と言っても過言ではない特大ヒット作。


オール・イズ・ロスト ~最後の手紙~

最近は悪役も嬉々として演じていたりする
御歳78才の名優ロバート・レッドフォードがたった独りで演じ切る海洋サスペンス。
船体の修復から貴重品の退避まで、漂流中のコンテナに激突された
クルーザーの持ち主が、刻々と変化する状況に合わせて対応する姿に手に汗握る。
台詞もほとんどなし、効果音は波の音に最小限のBGMと、
無駄を削ぎ落とした構成力・演出力も素晴らしい。


あなたを抱きしめる日まで

ヘレン・ミレンをアカデミーの主演女優賞へと導いた傑作「クィーン」の
スティーヴン・フリアーズ監督がジュディ・デンチを主演に迎えて撮ったドラマ。
生き別れの息子を50年間想い続けて来た母親が一念発起で息子を捜す旅に出る。
バラバラになった母娘の関係を描いた映画「愛する人」は
両者の現在をザッピングしながら距離を縮めていく手法をとっていたが
こちらは母親がひたすら息子の消息を追い求めるロードムービー形式。
生き別れになった原因も悲劇なら中盤で明らかになる事実も悲劇なのだが
主人公フィロミナは道中で何度も何度も笑顔を見せてくれる。
彼女が愛すべきおばあちゃんになるまでにどれほどの苦しみがあったのか。
憎むべき相手に「赦します」と語りかけるデンチの表情の向こうに
劇中で語られないフォロミナの人生が透けて見えるようだった。
カトリック教会の理不尽さを糾弾する映画は何本もあるが
本作は「赦し」を前面に押し出すことでコメディとしての余地を残し
そのことが結果的に痛烈なメッセージにもなっている。



<3月21日公開>


LIFE!/ライフ

1947年の映画「虹を掴む男」をベン・ステイラーの監督&主演でリメイク。
主だったヒット作がほぼコメディだったベン・ステイラーが
(少なくとも私にとっては)初めて二枚目的な魅力を開花させた作品。
土台は67年前の作品なのでストーリーは古典の部類だが
紙の媒体がデジタル時代をどう生き抜いていくかという
現代的な問題をさりげなく取り込んでいたり、アレンジがスマートで違和感がない。

目立たない、呆れるほど単調な日々の繰り返しだったとしても
それが誰にも評価されなくても、どこかで誰かが必ず見てくれている。
過大な評価でなくていい、「見てるよ」と言ってくれるだけで
明日からまた頑張ろうという気持ちが沸いて来る。
そうやって私達の世界は回っているのだ。
世界中の「普通の人」が少しだけ人生に前向きになれる良作。


LEGOムービー

日本では「アナ雪」の余波を最も受けたであろうファミリー向け映画の傑作。
たくましい子供の想像力を絶賛しつつ
そこを通ってきたはずの大人にも「ねぇ、思い出してごらんよ」と語りかける。
子供は子供の目線で、大人は大人の目線でそれぞれに楽しめるよう作られている。
「子供の想像力を伸ばす玩具」として「大人の自己満足を満たす装置」として
全世代に愛されるレゴブロックの商品コンセプトを
これほど完璧な形で映画にするためには
製作者によほどのレゴ愛が無ければ無理だったろう。

後半の展開はある意味で禁じ手なのだが、レゴと実写が混ざり合うことによって
物語は大感動のエンディングへと着地するのである。
ウィル・フェレルがキャスティングされている意味が最後の最後で分かった。
まいった、これはやられた。


神様のカルテ 2

冒険の少ない続編。それ以上でも以下でもなし。


フルートベール駅で

黒人差別を扱った作品の多かった2014年の中でも
これはとくに身近で起こった小さな事件がベース。
2009年1月1日、新年を迎えて沸き返るオークランドのフルートベール駅で発生した
白人警官による黒人青年の射殺事件を描いたドラマ。
現場に居合わせた乗客達が携帯で動画撮影し、
完全な無抵抗状態だったことからアメリカ全土に衝撃が走った事件。
主人公の青年オスカーを演じたのは「クロニクル」の友人役で注目を集めた
マイケル・B・ジョーダン。彼の演技がまた素晴らしい。

「大統領の執事の涙」で好演したフォレスト・ウィテカーが製作に参加し
「ヘルプ 心がつなぐストーリー」でオスカーを受賞した
オクタヴィア・スペンサーが出演しているのは
黒人差別を扱った作品で名を馳せた二人ならでは。
史実に名を残す事件でもないし、有名人の訃報でもない。
でも、現代のアメリカでは日常的にまだこんなことが起きているんだよと、
この作品は静かに語りかけている。


ワン チャンス

オペラに興味のない方も名前ぐらいは知っているであろうポール・ポッツ。
一介の携帯電話販売員が、オーディション番組への出演をきっかけにして
一夜にして世界的人気を誇るオペラ歌手へと変貌した
奇跡のエピソードを映画化したもの。
監督は「プラダを着た悪魔」のデヴィッド・フランケル。
日本では受け入れられ易い普遍的な夫婦の物語であり万人向けの佳作。


ウォルト・ディズニーの約束

ディズニークラシックの中でも特に高い人気を誇る
名作「メリー・ポピンズ」が完成するまでの過程を
原作者P.L.トラヴァースとウォルト・ディズニーの交流を通して描くドラマ。
ウォルトはトム・ハンクス、トラヴァースはエマ・トンプソン。

名作映画の誕生秘話を描く再現ドラマ方式の作品が増えているが、
本作はその系譜の中で最上クラスの出来映え。
資金難に陥っていたトラヴァースがそれでも「メリー・ポピンズ」の
映画化に首を縦に振らなかったのは何故なのか。
最終的に何故受け入れることが出来たのかを追うことで
ディズニーの制作スタイルやウォルトの温かな人間味が垣間見える。
気難し屋であり、人一倍寂しがり屋でもあるトラヴァースを
完璧に演じ切ったエマ・トンプソンが絶品。
今後何年にも渡って人々に支持されるであろう作品。



<3月29日公開>


白ゆき姫殺人事件

スマホ1台あれば世界中の誰とでも簡単に繋がることのできる
時代だからこそ生まれた、ソーシャル時代のミステリー。
原作は「告白」「Nのために」の湊かなえ。
思春期特有の残酷さをリアルに描き出す湊かなえの世界を中村義洋監督が映画化。
主演は井上真央、綾野剛。
共演には、映画初出演となる菜々緒、金子ノブアキ、小野恵令奈、谷村美月、
染谷将太、蓮佛美沙子、貫地谷しほりなど。

自己顕示欲に駆られてうっかり流したツイートが見知らぬ誰かの目に留まり
あっという間に拡散され、歪んだ正義が暴走する恐ろしさ。
天誅のつもりなのか、単なる憂さ晴らしなのか
膨張した正義(悪意)はいつしか事件の真相すら脇道へと追いやり
疑わしいだけの人物をとことんまで追い詰めて丸裸にする。

ミステリーとしての組み立ては平凡で、後半腑に落ちない箇所もあるが
安直なネット批判、引きこもり叩きで終わらせず
「本当の関係はどこででも築ける」と結論づけた点で傑作認定。


チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像

ドラマの最終回をわざわざ映画でやりました。以上。



<4月4日公開>


大人ドロップ

今年は大忙しだった池松壮亮の出演作の中では地味な方だが、
作品の完成度でいえばこちらがトップクラスではないかと思う青春映画。
2007年に発表された樋口直哉の同名小説の映画化で、
監督は「荒川アンダー ザ ブリッジ」の飯塚健。
共演は橋本愛、小林涼子、前野朋哉など。

「若気の至り」を遥か彼方に置き去りにしてきた私にとって
取るに足らないことで死ぬほど落ち込んだり
たった一言を口に出せないまま貴重な青春を浪費する
本作の登場人物達はとても眩しく、羨ましい。
思わぬ掘り出し物だったのが、同級生の野中春を演じた小林涼子。
勝ち気な表情と態度の裏に、実はあどけない少女の顔も持っている春を好演。
本作をきっかけに今後出演作が増えてくる気がする。


アデル、ブルーは熱い色

2013年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得した女性同士の恋愛映画。
終わりがないと言われる女性同士のセックスを再現するかのように
執拗に続くベッドシーンを演じたレア・セドゥの度胸に感服。
ただし3時間(179分)あるので観るなら相応の覚悟が必要。


サクラサク

痴呆の始まった父親をどう家族全員で支えていくかを描いたドラマなのだが
さだまさしの書く小説はいつも過度の性善説と御都合主義が満載で
くらくらしてしまうのだが、これもそのパターン。お年寄りには良いのかも。



<4月11日公開>


パラノーマル・アクティビティ/呪いの印

低予算から始まった大ヒットホラーの番外編。
少しだけ本編のストーリーとリンクしているので見たが
カメラワークがシリーズ中一番ぐらい酷く、画面酔いで吐き気必至。
よほど三半規管の強い監督なのか。単に馬鹿なのかどっちだ。


ワールズ・エンド/酔っぱらいが世界を救う!

ライトなコメディを撮らせたら天下一品のエドガー・ライト監督が
お馴染みサイモン・ペッグ&ニック・フロストと共に作り上げた最新作。
いい歳したおっさん達の同窓会的なムードで進みながら
劇中の人物に酒が入った頃合いを見計らって突然SFにハンドルを切り
そこからははちゃめちゃのダッチロールで愉快。
往年の名作SFへのオマージュもしっかり入れてある。


クローズEXPLODE

「ごちそうさん」で上がった株をどんどん下げていく
東出昌大の「いつまで高校生?」三部作の第1弾。(「寄生獣」「アオハライド」)
三池版「クローズ」2作と比較してもスケールダウンは否めず。


アクト・オブ・キリング

1965年から66年にかけてインドネシアで起こった
大量虐殺事件の当事者にカメラを向けたドキュメンタリー。
100%リアルなドキュメンタリーかどうかの判断は私にはつかない。
しかし、無自覚に多くの人を殺め、英雄と讃えられていい気になっていた男が
逆の立場を疑似体験しただけで簡単に壊れてゆく様と
恐怖に打ち震える表情のリアルさに嘘はなかったと思う。
セル版Blu-rayは一部劇場で公開された、劇場公開版より40分以上長い
「オリジナル全長版」が収録されている。



<4月18日公開>


8月の家族たち

ピューリッツァー賞とトニー賞をW受賞したトレイシー・レッツの舞台劇を
メリル・ストリープ、ジュリア・ロバーツ、ユアン・マクレガーら
多彩なキャストで映画化した家族ドラマ。
母親を気遣うほど金銭的にも精神的にも余裕のない娘達と
キツく当たることしか出来ない母親との不毛な言い争いを描いているようだが、
序盤はただひたすらヒステリックに悪態をついていたように見えた母親が
終盤では実は誰よりも家族を良く見ていたことが分かってくる。

メリル・ストリープの独壇場かと思いきや
今回は長女のジュリア・ロバーツが好敵手として奮闘し
珍しく弱気な青年役のベネディクト・カンバーバッチも味がある。
映画は何よりもまず芝居だと思う方なら絶対にお薦め。


そこのみにて光輝く

2014年は陰鬱とした生活を送る若者を描く作品がとにかく多かった。
特に印象深いのが「愛の渦」「私の男」「そこのみにて光輝く」の3本。
主演は綾野剛、池脇千鶴。共演は菅田将暉、伊佐山ひろ子など。

苛立ちや悔しさを表に出さず、呑み込んでやり過ごそうとする人物ばかりの中で
唯一ストレートにぶちまける菅田将暉が浮かび上がってくるのは計算なのだろうが
放っておいても目立ってしまう人物を菅田が上手く演じ過ぎているのが惜しい。
その存在感はメインであるはずの綾野&池脇のストーリーすらも侵蝕し
映画全体のバランスを若干崩しているように私の目には映った。
菅田は言わば「舞台あらし」(@ガラスの仮面)である。

池脇はこの手の役をやらせると天下一品。
幼さを残しつつ大人の色香を醸し、身体を汚しても心までは汚さない。
今日本でこの役を出来るのは池脇ぐらいだろう


キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー

「アベンジャーズ」ファミリーのリーダーを務める
スティーブ・ロジャーズの新たな物語。
前作「ファースト・アベンジャー」のラストで70年の長き眠りから醒めたスティーブが
巨大な地下組織として国の根幹にまで侵蝕するヒドラを追う。
少し古臭さを残していた前作に対し、本作では完全な「アベンジャーズ」の系譜に。
スカーレット・ヨハンソンの演じるブラック・ウィドウと
事実上の二枚看板制をとり、さらに駄目押しでファルコンまで配置する周到ぶり。
スピンオフ作品の中では突出した完成度と言えるだろう。
ロバート・レッドフォードの悪役ぶりも楽しい。


チョコレートドーナツ

一組みのゲイ・カップルがダウン症の子を引き取り
正式な養育権を得る為に法廷で闘う姿を描いた感動作。
主演はトニー賞も受賞した経歴を持つアラン・カミング。
共演は「LOOPER」のギャレット・ディラハント、
ダウン症に生まれながら役者を目指して頑張っているアイザック・レイヴァ。

「血の繋がった家族の中で起こるドラマ」ではなく
「家族とは何かを問うドラマ」。
同性愛者への憎悪にも近い差別意識が渦巻く1970年代の社会において、
自分達が晒しものになる覚悟でマルコの親権を主張し続ける二人と、
法律を悪用してでもルディ達(ゲイ)を社会から抹殺せんと躍起になる人々。
その嫌悪感の正体を思う時、「それでも夜は明ける」にも通じる恐怖を感じた。
やるせない想いになる作品ではあるが、映画好きならば見逃してはいけない。



<4月25日公開>


アメイジング・スパイダーマン 2

マーク・ウェブ監督&アンドリュー・ガーフィールド主演で
再スタートを切った新生「スパイダーマン」の第2弾。
軽妙なテンポで進む前作の枠組みを踏襲しつつ、
キャラクターの掘り下げ、ドラマ、アクションの全ての面でパワーアップしている。

知名度の急上昇に生身のピーターが追いついていないもどかしさこそが
「アメイジング」シリーズの序章の肝であり、原作に忠実な「ある別れ」によって
学生気分の抜けないピーターは未熟なヒーローから卒業する。
前作で描き切れなかったピーターの両親の死の真相にも言及したり
母代わりとして育ててきた叔母の愛情にもスポットがあてられるなど
ピーター周辺のキャラクターは前作よりぐっと掘り下げされていて好感。


テルマエ・ロマエII

同じことを2回やってどうする。飽きた。


相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ

ドラマのスペシャル版をわざわざ劇場で公開しました。


上島ジェーン ビヨンド

ダチョウ俱楽部上島がサーフィンに興じる姿を描いたフェイクドキュメンタリー。
全編ぬるい雰囲気で進行する映画未満のC級作品だが憎めない味もある。
野呂佳代がリーダーを務める「九十九里ッターズ」の曲が何気に良い曲で笑った。



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1800円→900円■iOS:「FINAL FANTASY IV」(ユニバーサル)
1600円→800円■iOS:「FINAL FANTASY III」
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1500円→700円■iOS:「FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争」
1600円→800円■iOS:「FINAL FANTASY TACTICS 獅子戦争_for iPad」
1200円→600円■iOS:「クロノ・トリガー」
900円→400円■iOS:「聖剣伝説 2」





2015年最初の目玉「妖怪Pad」27日より予約解禁、他

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▼2015年最初の目玉「妖怪Pad」27日より予約解禁

妖怪Pad

12月13日に発売された3DS「妖怪ウォッチ2 真打」は発売2週間で170万本以上、
夏発売の3DS「妖怪ウォッチ2 本家/元祖」は累計300万本を突破しロングセラー中。
先週公開された映画「妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」は
東宝作品で歴代最高の初動記録となる動員148万人を動員、
興収16億2889万円の驚異的な記録を叩きだし、
まさに向かうところ敵無しの「妖怪ウォッチ」。
来年1月には、2014年11月発売までの全妖怪メダルに対応した
妖怪ウォッチフリーク必携のデジタル玩具「妖怪Pad」が発売される。

収録される妖怪ウキウキペディアは380種類以上、
手持ちの妖怪メダルを登録すると辞典が充実するほか、
ボイスやレア画像などの情報も得られるハイテク玩具。
妖怪Padユーザー同士の疑似LINE的メッセージ交換や
ガジャを回してQRコードを得られる妖怪ガシャガシャなどなど
単なる便乗品に収まらない仕掛けが盛り沢山になっている。
イチゴニャン&スティーブ・ジョーズの2枚のZメダルも同梱し
入手困難はほぼ確実の商品である。

そんな「妖怪Pad」の予約開始を今か今かと待っていた
子供達は多いこと思うが、ネット通販各社では27日の予約解禁にあわせて
少しずつ動きが出始めている。



<Amazon>
01月17日発売■HOBBY:「妖怪Pad」(Amazon検索)
<ビックカメラ>
01月17日発売■HOBBY:「妖怪Pad」(ビックカメラ検索・商品名)icon
01月17日発売■HOBBY:「妖怪Pad」(ビックカメラ検索・JAN)icon
<楽天関連>
01月17日発売■HOBBY:「妖怪Pad」(楽天ストア)
01月17日発売■HOBBY:「妖怪Pad」(アビタeショップ)
01月17日発売■HOBBY:「妖怪Pad」(トイズボックス)
01月17日発売■HOBBY:「妖怪Pad」(トイズスタジアム1号店)
01月17日発売■HOBBY:「妖怪Pad」(トイズスタジアム2号店)
<ヤマダ関連>
01月17日発売■HOBBY:「妖怪Pad」(ヤマダ電機)
01月17日発売■HOBBY:「妖怪Pad」(ヤマダモール)

人気商品は常に最後発(に近い)Amazonは相変わらず商品ページもなく
現時点では検索で待つしか無い。
真っ先に予約を取るビックカメラも今回は動きが鈍い。
楽天関連では商品ページを用意するショップがかなりの数あり
トイズボックスは27日午前0時の開始を告知済み。
ヤマダ電機/ヤマダモールはいずれも27日午前10時より開始される。
アビタeショップのように年が明けてからゆっくり予約を取る法人もあるので
他社がどういったスケジュールでぶつけてくるのか読み辛いのが難点。

26日22時の段階で予約開始時刻が明記されているショップは以下の通り。


<27日午前0時開始>
01月17日発売■HOBBY:「妖怪Pad」(トイズボックス)
<27日午前10時開始>
01月17日発売■HOBBY:「妖怪Pad」(ヤマダ電機)
01月17日発売■HOBBY:「妖怪Pad」(ヤマダモール)
<2015年1月6日午前10時開始>
01月17日発売■HOBBY:「妖怪Pad」(アビタeショップ)

クリスマスは終わったはずなのにとお嘆きのサンタは気合いを入れてゲットを。




2014年の映画を振り返る(5月・6月編)

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2014年5月6月 映画まとめ



▼2014年の映画を振り返る(5月・6月編)

<5月2日公開>


ネイチャー

いい加減「自然ってすごいね」からもう少し進化しないと。
ネイチャードキュメンタリーの切り口は完全に行き詰まっている。


プリズナーズ

当BLOGでも絶賛した「灼熱の魂」のドゥニ・ヴィルヌーヴのハリウッド進出第1弾。
6歳の愛娘を自力で奪還せんと奮闘する父親(ヒュー・ジャックマン)と
あくまでも冷静に捜査を進める刑事(ジェイク・ギレンホール)のW主演による
緊張感たっぷりのサスペンス。
ヴィオラ・デイヴィス、マリア・ベロ、テレンス・ハワード、
メリッサ・レオ、ポール・ダノと脇にもオスカー経験者がずらり。

私的には、「ゴーン・ガール」「デビルズ・ノット」と並ぶ
今年を代表する3大「誘拐/失踪」モノ。
血気盛んな父親が愛娘を奪還する定番の題材だと見せかけておいて
その裏に天使と悪魔の代理戦争的な匂いまで漂わせる秀逸な脚本。
小ネタに気づけば3倍美味しく、知らなくてもちゃんと美味しい親切設計もいい。
ヒュー・ジャックマンとジェイク・ギレンホールの対比がまた実に素晴らしい。



<5月10日公開>


ブルージャスミン

富豪の夫を持ち何不自由ない優雅な生活を送っていた女性が
ある日丸裸にされてしまい、
形振り構わずもう一度もとの生活に戻ろうと奮闘するコメディ。
泡銭を忌み嫌い、額に汗して得た金のみに価値を見出そうとする
凡人の妬み嫉みを、嘘で固めた面の皮で跳ね返さんとする
ジャスミンが何とも愚かで可愛かった。
ウディ・アレンらしいスパイスを盛り込んだ良作。
ケイト・ブランシェットは本作でオスカーの主演女優賞を獲得。


WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~

三浦しをんの原作を矢口史靖が映画化した農林コメディ。
私的には「ウォーターボーイズ」から着実に右肩下がりを続けていた
矢口監督が久々に放ったクリーンヒット。
架空の神去(かみさり)村を舞台に、
都会からやってきたひとりの青年が村の人々によって
立派な大人へと鍛えなおされていく温かい作品。
ますます大谷直子化が進む長澤まさみや、山猿こと伊藤英明など脇も○。
しかし一番良いのが染谷将太。「寄生獣」の100倍ハマっている。




代々人肉食を受け継いできた一族の姉妹が、母の急死によって
急遽『儀式』を執り行うホラー映画。
公開前にアーティスティックなポスターが話題になっていたので
期待に胸を膨らませて劇場に行ったのだが、拍子抜けするほど普通だった。


ライヴ

「パズル」との2作連続で公開された角川ホラー。
こちらは私の大好きな井口昇監督作品。
メジャー配給作品のためかエロもグロも若干控え目になってはいるものの
井口監督らしい爪痕はあちこちに残している。
井口テイストはとことん人を選ぶので、合わない人には全くダメだろうが。



<5月16日公開>


闇金ウシジマくん Part2

お馴染みカウカウ・ファイナンスの皆さんが活躍する劇場版第2弾。
主演の山田孝之以下、窪田正孝、柳楽優弥、菅田将暉、門脇麦ら
今年の顔とも言える伸び盛りの若手が大量に出演しているが
残念ながら映画そのものは普通。
ローからハイへ垂直に切り替える狂人ぶりが印象に残る高橋メアリージュンが良い。


MAMA

ギレルモ・デル・トロ製作総指揮によるホラー。
ジェシカ・チャスティンが主演を務めた本作は海外では興収1位を獲得した
ヒット作なのだが、日本では何故かストレートDVD扱いのため知名度が低い。
内容はデル・トロらしさが良く出た恐ろしくも切ないホラー映画で
「死霊館」「永遠のこどもたち」にも劣らない良作。



<5月24日公開>


ぼくたちの家族

「舟を編む」の石井裕也監督が「バンクーバーの朝日」前に撮った家族ドラマ。
母親が余命宣告を受けた日をきっかけに、元引き蘢りの長男、
自堕落な生活を送るプー太郎の次男、多額の借金を抱えた自営業の父の三人の男達が
それまで逃げていた家族内のポジションと向き合うようになっていく。
ぐらぐら揺れる家を必死で支える三人の男達を
記憶の退行した母親が無垢な笑顔で見つめているのが何とも切ない。
妻夫木聡、池松壮亮、原田美枝子、長塚京三は4人とも文句なし。


青天の霹靂

劇団ひとりの監督デビュー作。
1作目にしては破綻もなく、優等生的な作品。
大泉洋と劇団ひとりの時空を超えた親子関係は良いのだが
柴咲コウはどう見てもミスキャスト。


キカイダー REBOOT

お金がないなら海外に頼めば?と思うほど色々とショボい特撮映画。



<5月30日公開>


インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌

ボブ・ディランらと共に1960年代のフォーク・シーンで活躍した
デイヴ・ヴァン・ロンクをモデルにした音楽ドラマ。
才能さえあれば必ず世に出られるわけではないショービズ界の厳しさと
そこで生きた男の姿をユーモア混じりに描いていく。
若手ながら作品選びが渋過ぎるキャリー・マリガンが相変わらず良い。


X-MEN:フューチャー&パスト

アメコミブームの火付け役となった「X-MEN」シリーズの5作目は
追い詰められたミュータント達の現状を変えるため
過去に送り込まれたウルヴァリンが奮闘する
タイムリープ的なダイナミズムを盛り込んだ意欲作。
若手トップ女優に上り詰めたジェニファー・ローレンスに気を遣ってか
ミスティークが準主役クラスまで引き上げられているのも微笑ましい。


万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-

こんなのもありましたね。


ザ・ベイ

ゾンビ系ではなく、環境汚染に端を発したパニックサスペンス。
日本の田舎町で起こっても不思議ではなさそうな設定は
意外と深かったりするが、アイディアでは隠し切れない製作費の問題が垣間見えたりも。



<6月6日公開>


グランド・ブダペスト・ホテル

上流階級が利用する高級ホテルで働く伝説のコンシェルジュを軸に、
殺人事件や遺産を巡る争いが繰り広げられる
スピード感たっぷりのサスペンス・コメディ。
グランドホテル形式の舞台+ミステリー仕立て+スパイ映画風な演出もありと
あれこれと詰め込んではいるがきちんと整理整頓されているのでそれほど難解ではない。
シリアスなストーリーにも関わらずカートゥーンを見ているような
楽しさに満ちているのがウェス・アンダーソンマジックと言えよう。


女子ーズ

桐谷美玲、藤井美菜、高畑充希、有村架純、山本美月の5人が
女性版ゴレンジャー的な戦隊ヒロインを演じた
いかにも福田雄一監督らしいゆるコメディ。
「HK 変態仮面」「俺はまだ本気出してないだけ」「薔薇色のブー子」と
それほど引き出しが多くないにも関わらず短期間に量産しまくったせいで
1本あたりのクオリティはどんどん下がっている気が。
「アオイホノオ」(ドラマ)の方が明らかに力が入っている。


GF*BF

台湾映画の素晴らしさを教えてくれた「藍色夏恋」で
ヒロインを演じていたグイ・ルンメイが主演を務める青春映画。
27年間に渡る三人(女ひとり、男ふたり)の友情を描いた作品で
「藍色夏恋」に引けを取らない甘酸っぱさがたっぷり。
ここ数年の台湾映画では出色。早くBlu-ray(DVDでも可)を出して欲しい。



<6月13日公開>


ノア 約束の舟

ノアの箱舟伝説の映画化。
消化試合のように流して観るには適した作品だが
監督に「ブラック・スワン」のダーレン・アロノフスキーを抜擢したのは失敗では。
スペクタクルとドラマの配分がどっちつかずでメリハリに欠ける。


私の男

「東京難民」「愛の渦」「そこのみにて光輝く」「海を感じる時」など、
湿度の高い若者ドラマが相次いで公開されたせいで埋もれた印象のある1本。
直木賞を受賞した桜庭一樹の原作を「海炭市叙景」の熊切和嘉監督が
浅野忠信と二階堂ふみのW主演で映画化したもの。
女優・二階堂ふみの魅力を120%引き出した作品ではあるが
どんなみすぼらしい衣装でも意図的に着崩したかのように見せてしまう
浅野忠信をキャスティングしたのはミスではなかったか。
正真正銘のみずぼらしい男でなければ、
この映画は単に歳の離れた、でもお似合いなカップルに収まってしまう。
二階堂ふみは過去最高の素晴らしさ。


春を背負って

時代錯誤も甚だしい。


スイートプールサイド

押見修造の同名コミックを実写化した本作の題材は何と『剃毛』。
一歩間違えばただのエロゲー風B級作品になりかねない際どい題材を
妄想と狂気の渦巻く青春映画に仕立て上げたのは「アフロ田中」の松居大悟。
単なる思春期あるあるを超越し、純粋と狂気が交錯する、
羽生生純の「恋の門」も真っ青の青春映画に仕上がった。
人気の無い晴天の河原、橋の下で繰り広げられる
「剃毛の儀」のシーンに溢れかえるエロティシズムといったら
露出が多いだけで何のひねりもない「花と蛇」の比ではない。
17歳にして腕毛も臑毛も脇毛もボーボーという女生徒を演じた刈谷友衣子は天晴。
19歳になった須賀健太も「何故ここで本気を出してるんだ」と思うほど
エネルギッシュな変態性を全開にしていて素晴らしい。
全年齢が鑑賞可能だが、性の芽生え前に観ると違う扉が開きかねない危険な一作。


わたしのハワイの歩きかた

号泣県議やドリル優子に匹敵するほど会社の金で豪遊しまくったOLの与太話。



<6月21日公開>


円卓 こっこ、ひと夏のイマジン

西加奈子(本人は苦手)原作をヒットメーカーの行定勲監督が映画化した
家族ドラマ、の皮を被ったファンタジックホラー。
小さな体内に収まりきらない、巨大な自我をコントロールできないこっこが
彼女なりの小さな頭で必死に「人生とは何か」を問い掛けている姿が涙ぐましい。
天才子役として大人達の中で年齢以上の仕事を求められる
女優・芦田愛菜の姿ともシンクロし、リアリティをぐんと押し上げている。
最後の最後に出て来る「もののけ姫」的なシーンには胸が熱くなった。


ラストミッション

リュック・ベッソンが「君が今回のミューズだよ」と言って
若手女優を口説き落とすためだけに制作したアクション映画。
ただ、「チャーリーズ・エンジェル」のマックGとの相性は良く
1回こっきりのすっきり鑑賞にはそこそこ。



<6月27日公開>


渇き。

「告白」の中島哲也監督によるバリバリのバイオレンス・エンタテインメント。
出演は役所広司、小松菜奈、妻夫木聡、清水尋也、二階堂ふみ、橋本愛、
森川葵、高杉真宙、國村隼、黒沢あすか、青木崇高、オダギリジョー、中谷美紀など。
失踪をした娘・加奈子の行方を、酒浸りの粗暴な父親が追うサスペンス仕立てなのだが
捜索途中で明らかになる加奈子の素顔たるや、不良娘などという表現では到底足りない。
三池崇史か園子温かというほどストレートなバイオレンス表現は
「告白」あたりで監督のファンになった新参組には相当キツいはず。
役所広司も妻夫木聡もオダギリジョーも天晴のクズっぷり。
繊細な少年(清水尋也)とは対照的に、生も性もリアルに受け止めて
今を生る少女達(二階堂ふみ、橋本愛、森川葵)も眩しい。


her/世界でひとつの彼女

奇才スパイク・ジョーンズが「デジタルとの恋」について
オタク監督ならではの視点で描いた恋愛ドラマ。
主人公のホアキン・フェニックスの周囲には、エイミー・アダムス、ルーニー・マーラ、
オリヴィア・ワイルドと美女が勢揃い。
主人公を虜にする最新OSサマンサの声はスカーレット・ヨハンソンが担当。

生身のコミュニケーションを遠ざけ、デジタルに癒しを求めた主人公と
デジタルとして生まれ、生身のコミュニケーションへの憧れに身を焦がすサマンサ。
知識を蓄えたからさぁ世界征服ではなく、デジタルである我が身について
禅問答のように深く考え始めるサマンサの選択がSFとして秀逸。
これまでのスパイク・ジョーンズ作品が持っていた癖が綺麗に抜け落ちて
ミシェル・ゴンドリーのような映像美と、
アンドリュー・ニコルのような優れた脚本と
ウディ・アレンのような洒落が三拍子揃った傑作。


トランセンデンス

知識を蓄えたからさぁ世界征服のSF。ストーリーも演出も手垢まみれ。


呪怨 -終わりの始まり-

産みの親である清水崇を使わず、Jホラーを殺した戦犯である
落合正幸を監督に迎えて作られたリブート版。
事実上の主役が、妻・伽倻子から息子・俊雄に移っているのが特徴。
脚本が清水版ほど練り込まれていないのと、
ホラー演出で旧作の使い回しが多過ぎるのが難点。
次回作があるなら、清水監督の電撃復帰か安里監督で観てみたい。


マダム・イン・ニューヨーク

夫と子供のため、家庭を守るために生きてきた平凡な主婦が
ふとしたきっかけでNYの英会話学校に通い始める物語。
今あるものを捨て去るのではなく、妻でも母でもない別の人生も
生きてみたいと願う女性は多いはずだが、本作がインド発であることは感慨深い。
日本で作るとスルーキートス系の凡作になりそうな題材を
微笑ましくも感動的なドラマへと昇華させている。




2014年の映画を振り返る(7月・8月編)

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2014年7月8月 映画まとめ



▼2014年の映画を振り返る(7月・8月編)

<7月4日公開>


オール・ユー・ニード・イズ・キル

何度も死んで少しずつ攻略法を学習していく「覚えゲー」の面白さを、
ハリウッドの潤沢な製作費とトム・クルーズを使って映画化した快作。
あまりに何度も簡単に死ぬトム・クルーズを見ていると妙に可笑しくなってくる。
本作のクルーズは、死ぬ度に力をつけていくシレンジャーそのものだ。
タイムループSFとして見た場合、シナリオに粗はあるものの
ゲーム好きなら観ておいて損は無い。


マレフィセント

「眠れる森の美女」で美しきオーロラ姫に永遠の眠りの呪いをかけた
悪い魔女・マレフィセントの物語。
アニメ版ではヴィランズの役回りであったマレフィセントの寂しさや
愛情深さにスポットをあてており、オーロラは完全に舞台端に追いやられている。
妖精と人間の戦闘シーンは「ホビット」シリーズさながらの迫力。
「シザーハンズ」的な理不尽なオチ(悪い奴は死んで当然)を除けば
万人向けのファンタジーとして良くできている。


青鬼

なぜこんなものがもてはやされたのか首を傾げてしまう。



<7月11日公開>


怪しい彼女

70歳になる毒舌の老婆が、ある日突然20歳に若返ってしまうコメディ。
監督は「トガニ 幼き瞳の告発」のファン・ドンヒョク。
序盤はいかにも韓国風の味付けの濃過ぎるコメディでどうなることかと思ったが
主演のシム・ウンギョンの歌唱シーンあたりから加速度的に面白さが増していき
後半にはお約束のぐっと来る展開も用意されている。
余生をどう生きるかだけ考えていた70歳の主人公が
今からでもまだ夢が叶えられる、もう一度恋もできると言われたらどうなるか。
オチの付け方も、いかにも韓国映画らしい。


太秦ライムライト

京都・太秦撮影所で日陰のまま老いてゆこうとしている大部屋俳優と
スターの座に駆上がろうとしている若手女優との交流を描いたドラマ。
主演は、様式美の世界である時代劇で、斬られて斬られて斬られまくってきた
日本一の斬られ役俳優・福本清三。
半世紀かけて身体に染み込まれている経験と勘が冴える福本も素晴らしいが
世界ジュニア武術選手権大会で優勝経験を持つ山本千尋の瑞々しさも引けを取らない。


黄金のメロディ マッスル・ショールズ

アラバマの小さな街にありながら、アレサ・フランクリン、
ローリング・ストーンズら、数多くのミュージシャンに愛された
伝説のレコーディング・スタジオ・マッスル・ショールズに
スポットを当てた音楽ドキュメンタリー。
ピュアに音楽を愛し、さらなる高みを求める人達の作った空間だからこそ
そこを訪れるミュージシャンも他では味わえないグルーブを生み出すことが出来る。
言葉や肌の色に関係なく心を打つ音がある。音楽好きな大人は必見。



<7月18日公開>


複製された男

「灼熱の魂」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が
ジェイク・ギレンホールを主演に据えたサスペンス・ミステリー。
偶然見た映画の中に自分と瓜二つの俳優を見つけた男の物語。
リピート鑑賞に耐え得る小技の嵐が見所の、映画マニア向けの1本。
良く出来ているのだが万人には勧め辛い。


思い出のマーニー

「借りぐらしのアリエッティ」で長編デビューを飾った米林宏昌監督の2作目。
心を閉ざした12歳の少女が、謎の少女マーニーに出会い前向きな心を取り戻す物語。
『今がどんなに孤独でも、あなたも誰かに愛されてこの世にいるんだよ』
という大らかな愛のメッセージは、「魔女の宅急便」ぐらいまでの
『重厚でないジブリ』が持っていた温かみがたっぷりでオールドファンは感涙モノ。
丸メガネの少女・彩香を演じた杉咲花が素晴らしかった。


ママはレスリング・クイーン

頑張る姿を見せて子供との仲を修復する定番の親子モノだが
頑張るのが父親ではなく母親で、しかもレスリングクィーンというのがミソ。
ワケありな中年女が頑張る姿は微笑ましいが、本作ならではの見所はあまりない。
熱烈な女子プロファンなら、か。



<7月25日公開>


GODZILLA ゴジラ(2014年版)

「ただのトカゲじゃねえか」と酷評された前作の反省を踏まえ
日本の怪獣映画に多大なリスペクトを持っているギャレス・エドワーズを抜擢して
製作されたハリウッド版「ゴジラ」。
核実験によって蘇った、神の怒りを象徴したあの「ゴジラ」が帰ってきた。
ハリウッドでこれほどちゃんとした怪獣映画が作られてしまっては
もう日本製作による「ゴジラ」新作は望めまい・・・と思ったら
何と東宝が日本版の新作を発表して爺さん二度びっくり。



<8月1日公開>


るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編

二部作構成にするほどの題材かについては突っ込みを入れたくなるものの
水増し感も間延びもなく、観客を惹き付けたまま長尺を走り切る演出力には感服。
人間模様もアクションもたっぷりと描かれ、
「マンガ原作」という括りでは収まり切らないほどの魅力に溢れている。
「十三人の刺客」など、優れた邦画と比較しても引けを取らない本作は
漫画原作の実写化作品として、最高峰と言って良い出来。
(*公開時期は異なるが同年のため「伝説の最期編」とのセット扱い)



<8月8日公開>


トランスフォーマー/ロストエイジ

マイケル・ベイ監督の大ヒットシリーズ4作目は
シャイア・ラブーフからぐっと年齢が上がりマーク・ウォールバーグが主演。
父娘&婿姑の物語へと変化していてこれはこれで面白い。
「ダークサイド・ムーン」で拡大路線の限界に辿り着いてしまったベイは
本作で膨張型の進化にひと区切りを付けて「見せ方」にこだわった。
アクションシーンが前作比で減っているわけではないのに
「アベンジャーズ」ぐらいの気分で見ていられる点はもっと評価されていい。
ハリウッドで増え続ける中国資本について、嘘臭い笑顔と揉み手で迎合したと見せかけて
明らかに中国(製品)を貶めている箇所もあり、その悪ガキっぷりも微笑ましい。


STAND BY ME ドラえもん

一番儲けたのは秦基博。



<8月16日公開>


ホットロード

良くも悪くも完全なアイドル映画。
このジャンルにも遂に古典のリメイクのような手法が取り入れられたのかと感慨深い。


クィーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる転落

貧乏から大富豪へ華麗な転身を遂げた夫妻の生き様に迫るドキュメンタリー。
総工費100億の豪邸にも着工し、我が世の春を謳歌していた夫妻が
リーマンショックに直面し、たった一夜にして1,200億円もの借金を抱える
極貧生活へ転落してしまう。知性もセンスも無く、無駄に子だくさんな暮らしぶりは
「スケールのデカいビッグダディ(と元嫁)」に見えなくもない。



<8月22日公開>


プロミスト・ランド

「グッド・ウィル・ハンティング」以来のタッグとなる
マット・デイモン&ガス・ヴァン・サント監督のコンビが描く社会派のドラマ。
エネルギー資源を巡るビジネスの話だが、資源に頼らざるを得ない
田舎町の事情や、大金に踊らされてしまう人々、有能な社員すら完全には信用しない
大企業の冷徹さなどがしっかり抑えられて見応えがある。
後半はいつものガス・ヴァン・サントで〆るあたりがファンにとっては嬉しかった。


イントゥ・ザ・ストーム

もう何番煎じかもわからないディザスタームービー。

バルフィ!人生に唄えば
バルフィ! 人生に唄えば

今年も快進撃の続いたインド映画の中でも決定打と言える作品。
耳が聴こえず、口も利けない青年バルフィの恋の物語。
難病にも関わらず明るく生きるバルフィの姿を
ジャン・ピエール・ジュネ作品かと思うほど洒落た映像と音楽で綴る。
サービス過多のバタ臭さもなく、インド映画もここまで来たかと感慨深くなる。


喰女-クイメ-

本編より劇中劇(四谷怪談)の方が怖いという本末転倒なホラー。



<8月28日公開>


グレート デイズ! -夢に挑んだ父と子-

難病の息子と父親がアイアンマンレースに挑む感動作。
なのだが、ストーリーに既視感は強く演出も定番の域を出ず。


LUCY/ルーシー

それにしてもスカーレット・ヨハンソンは普通の人間役が少ないな。
これを観るぐらいなら「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」を推したい。


ルパン三世

ノーコメントで。


TOKYO TRIBE

園子温監督にしては切れ味も悪く今ひとつノリ切れなかった残念作品。


テロ,ライブ

爆弾テロが発生し国中がパニックに陥る中、
なおも視聴率優先主義を崩さないテレビ局(マスコミ)と、
『テロには絶対に屈しない』という体裁を守ろうとする大統領に対して
痛烈な批判を浴びせるサスペンス。
事件をきっかけにしてトップキャスターへの返り咲きを目論む主人公を
「チェイサー」「哀しき獣」のハ・ジョンウが上手く演じている。
同じ韓国映画で一昨年公開された「ミッドナイトFM」も
似た様なシチュエーションのサスペンスだが、こちらは「24」系のスケール。
後半の特撮はちょっとやり過ぎだが、「トガニ」や本作のような作品で
体制にNOを突きつけられる韓国映画がちょっと羨ましい。




2014年の映画を振り返る(9月・10月編)

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2014年9月10月 映画まとめ



▼2014年の映画を振り返る(9月・10月編)

<9月6日公開>


イン・ザ・ヒーロー

特撮ヒーローを陰で支える「中の人」にスポットをあてた熱血ドラマ。
ブルース・リーに憧れ、いつか自分も顔出しでスクリーンにと夢見るうちに
25年が過ぎてしまった中年男が大きなチャンスを掴むまでの話。
スーツアクター経験のある唐沢寿明が熱い芝居を見せてくれたかと思えば
今年大ブレイクした福士蒼汰も唐沢に感化されてゆく青年役を好演。
しかし、CGなし&ワイヤーなしのため誰も引き受けない
危険なアクションシーンを命懸けて引き受ける話で
最初から最後までワイヤーもCGを使いまくったのは大失敗。
ましてタイには本当にそれをやってしまったトニー・ジャーがいるわけで。



<9月13日公開>


舞妓はレディ

「周防監督も焼きが回ったな」が確信に変わった記念碑的作品。

映画 海を感じる時 池松壮亮 市川由衣
海を感じる時

『愛』と『恋愛』と『性欲』の間で揺れ動く
若い二人の心模様を淡々とした筆致で描いたドラマ。
今年だけで何本の映画に出たか分からない池松壮亮と
本作で久々に映画主演を務めた市川由衣がほぼ二人芝居で演じ切る。
母子家庭で厳格な母に育てられた娘は、愛は要らないからと言いつつも愛を求め
欲望の処理が最優先だった高校生男子は、
関係を続けていくうちに愛とも情とも言えぬ感情を抱く。
言い回しがやたら古臭いのは本作が70年代の設定だからだが
これはむしろ現代劇として再構築すべきではなかったか。
色々と惜しい点が多く、はっきり言って市川由衣は脱ぎ損。


ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

大人向けに照準を合わせたアメコミ映画が花盛りの状況に風穴を開ける1本。
リブート版の「スター・トレック」を初めて観たときのようなわくわく感と
”会いに行けるヒーロー”的な親近感は、近年のアメコミ映画の中でも上位に位置する出来。
私の世代にはドンピシャの懐かしいヒット曲の数々も嬉しかった。
いずれ「アベンジャーズ」本編とも絡んでくるであろうし、続編にも期待。



<9月19日公開>


猿の惑星:新世紀(ライジング)

「創世記(ジェネシス)」に続く新シリーズ第2弾。
前作から10年が経過し、人間と猿の力関係は大きく変化。
人間に裏切られ、人間と決別して作り上げたはずの猿達のコミュニティで
英雄として君臨するシーザーが気付いてしまうある悲劇。
それは、「猿もまた人間と同じ過ちを犯してしまう」という哀しい事実だった。
猿と人間との駆け引きを通じて、我々は闘いや裏切りから
永遠に逃れることはできないのか、という人間社会の問題を描き出す。
アクションも特撮も文句なしで、130分があっという間に過ぎる。
後半のあるシーンで、ビデオカメラの映像を愛しげに見つめるシーザーに泣けた。


NY心霊捜査官

霊感を持つと言われている現役のNY市警巡査部長ラルフ・サーキの手記を
「エミリー・ローズ」のスコット・デリクソンが映画化。
オカルトを除霊だけで終わらせないデリクソンだけあり着眼点が素晴らしく
モキュメンタリー+POVで量産されるB級C級ホラーとは一線を画す作り。
「エクソシスト」から受け継がれる悪魔払いシーンは
「エミリー・ローズ」の壮絶さに迫る強烈なインパクト。
「死霊館」がお好きなら絶対にお薦め。



<9月26日公開>


劇場版 零~ゼロ~

ゲーム版とは別物だと割り切ることができれば、あと一歩で良作にもなれた惜しい作品。
ゲーム版至上主義者にはお薦めしない。

アバウト・タイム 愛おしい時間について
アバウト・タイム ~愛おしい時間について~

「ラブアクチュアリー」のリチャード・カーティス監督の3作目にして引退作。
『人生は愛している人々と一緒に過ごすべきだ。
 お金を稼いで、成功する必要はない。平凡な毎日を楽しんで。』との
メッセージそのままの引き際も美しいが、作品がまた輪をかけて素晴らしい。
音楽好きのカーティスらしく、劇中で流れる曲がまたどれもいい。

人生にはわずかな判断ミスによって取り返しのつかなくなることがたくさんある。
だから、瞬間瞬間を大事に生きていかなくてはならないと
主人公が気づき、実践するための装置としてタイムリープを使っているのが新しい。
何も良いことのない、ついてなかった一日も
自分の行動次第で変えられたのかも知れない。
映画のようにやり直しが利かない私達の人生は
成功も失敗も全てを経験として積み上げながら前に進んでいくしかないのだ。
映画を観終えた後の、劇場から出た瞬間からの私達の人生に向けられている大傑作。
主演のドーナル・グリーソンは今年大活躍。来年以降にも期待。


ジャージー・ボーイズ

トニー賞も受賞した大ヒットミュージカルを
クリント・イーストウッドが映画化した音楽ドラマ。
ミュージカル版の大枠はそのままに、貧民街から這い上がってきた人々の
絆にスポットをあてた伝記ドラマへと生まれ変わらせている。
浮き沈みの激しいショービズ界に呑み込まれていった若造達が
強過ぎるスポットライトの下で何を見失い、何を最後まで手放さなかったのか、
丁寧にすくいあげてゆく老練な技はイーストウッドならでは。
エンディングで「ちゃんとしたミュージカルだってやろうと思えば出来たさ」と
言わんばかりのサービスをしてくれるあたりも気が利いている。
音楽モノでは「恋するリベラーチェ」や「最後のマイ・ウェイ」らと並ぶ良作。



<10月3日公開>

映画 悪童日記
悪童日記

亡命作家アゴタ・クリストフのベストセラー小説を映画化した骨太のドラマ。
第二次大戦下に鬼のような祖母に預けられた双子の少年が
過酷な生活の中で心身ともに逞しく鍛えられていく姿を描いている。
食い物や金に貪欲な大人達に囲まれ、逞しくならざるを得なかった少年の瞳は
月日と共に濁りを増すが、決して生を諦めない。
その力強さを想う時、彼等が双子であったことがどれほどの力になったか分からない。
鑑に映した我が身を叱咤激励するように、互いを支え合っていた兄弟は
終盤で別々の道を選択するのだが、その後がどうなったのか気になる。
原作はもっと長編らしいので、これは是非ともシリーズ化して欲しい。
双子を演じたアンドラーシュ・ジェーマント&ラースロー・ジェーマントを
見つけてきただけでこの映画は8割がた成功したと言っていいだろう。
それぐらいの逸材。

映画 FRANK フランク
FRANK -フランク-

マイケル・ファスベンダーが劇中でほとんど素顔を見せることなく
かぶり物なしでは平静を保つことができない天才を演じた話題作。
瞬時に浮かぶ歌詞やメロディが聴く者の心を虜にする天才フランクと、
世に出たい一心でPCとにらめっこしてメロディをひねり出す凡人ジョン。
歴然とした才能の差を真正面から描いているので
こと音楽を志す者にとっては目も耳も痛いドラマかも知れない。
大らかな愛で不安定さを受け止めて、創造力の邪魔になることは極力排除する。
天才肌の人間を生かすも殺すも周囲の人間次第なのだ。

観終わって妙にしんみりしてしまったのは、
私がジョン(凡才)の側の人間だからだろう。
己の才能の限界を認め、可能性の翼をそっとたたむ時の辛さは良く分かる。


アンダー・ザ・スキン 種の捕食

「LUCY」は大ヒットしたのにこちらはほぼ無名のスカヨハ主演作。
不気味さと滑稽さを併せ持つ世界観は初期の円谷作品を思わせる。
SFでもホラーでもない、「怪奇作品」という言葉がぴったりの掘り出し物。
スカヨハは謎の生命体役なのだが、
食料調達の効率を考えて女性の形をしているだけで性別は不詳。
耳障りなスコアとわずかな台詞、物語の起伏もラストまでは淡々としたものだが、
いつ何が起きても不思議でない緊張感のせいで全く目が離せない。
かなりマニアックな作品。好きな人はとことんハマるはず。



<10月11日公開>

ニンフォマニアック Vol.1 Vol.2
ニンフォマニアック Vol.1

過激な題材とは裏腹にラース・フォン・トリアーの優しさがにじみ出た良作。
過去作品から比べれば手心が加えられているし、映像面も随分ソフトになっている。
今回ラースはかなり確信犯的(誤用と言われても他に的確な表現がない)に
コメディ寄りに振っているし、タイトルの「色情狂」を特別視していない。
買い物依存症がコメディ映画になるなら、男根狂いだってコメディにしていいじゃんと、
兎角セックスを特別視し、見てはいけないものとして処理してしまう
私達の道徳観こそを笑っているように私には思えた。
聴き手として登場するステラン・スカルスガルドは
ジョーの奔放な身の上話に「まぁ、はしたないわね」と眉をひそめながら
服の下ではちゃっかり濡れたり勃起したりしている、観客の分身と言えるかもしれない。



<10月17日公開>


誰よりも狙われた男

「ラスト・ターゲット」のアントン・コルベイン監督が
残念ながら本作が遺作となってしまったフィリップ・シーモア・ホフマンの
主演で撮ったスパイ・サスペンス。
ハンブルクに密入国したひとりのチェチェン人青年を巡り
様々な組織の思惑が複雑に絡み合う緻密な脚本に唸らされる。
「ザ・マスター」でハリウッドを蝕む宗教組織を槍玉に上げた
ホフマンらしい作品選びだが、毎作これほどタブーに切り込んだ
濃密な作品にばかり出ていれば疲弊してしまうのも当然かとも思ってしまう。
ラストの咆吼は彼自身の魂の叫びにも聞こえる。
もっともっと色んな作品で楽しませてもらいたかった。

映画 まほろ駅前狂奏曲 瑛太 松田龍平
まほろ駅前狂騒曲

THE・ドラマの延長線。


泣く男

ウォン・ビンの「アジョシ」のキャラ替えバージョンだが
チャン・ドンゴンでは少々魅力に欠けるか。



<10月25日公開>


小野寺の弟・小野寺の姉

人気脚本家・西田征史が原作・脚本・監督の三役を務めた姉弟ドラマ。
姉・小野寺より子に片桐はいり、弟・小野寺進に向井理。
早くに親を亡くした姉弟が、慎ましく支え合いながら
日常を生きるコメディタッチのドラマ。
故・森田芳光監督の「間宮兄弟」を彷彿させる演出は
実写初監督とは思えない落ち着きぶり。
片桐はいりへの依存度が荻上直子監督のもたいまさこクラスであることと
落ち着きのないカメラが難点。あと数本で名作を撮りそうな監督。


イコライザー

「トレーニング・デイ」のアントワーン・フークア監督と
デンゼル・ワシントンが再タッグを組んで描くハリウッド版・「必殺仕事人」。
元CIAの凄腕エージェントが、経歴を隠してひっそりと暮らしながら
日々出会う悪を退治してゆくというもの。
最初の仕事が発動するまでの所要時間が(体感で)30分ほどと短く、
主人公ロバートのやる気スイッチが思いの外早く入ってくれるのでテンポが良い。
デンゼル・ワシントン演じるロバートの能力は超人レベルで
敵側は戦闘能力だけでなく戦略面でも無能と来ればピンチに陥ることがほぼ無い。
最後まで全戦全勝のワンサイドゲームで進むことを
爽快と取るか物足りないと取るかは観る人次第か。



<10月31日公開>


ドラキュラZERO

ブラム・ストーカーの小説「ドラキュラ」のモデルとして知られる
ヴラド・ドラキュラを主人公にしたダーク・ヒーローもの。
古典としてのドラキュラ像を守ったり壊したりしながら新味を追求するのが
2010年代のドラキュラ映画のトレントになっているが
本作は表向きクラシックスタイルを守りつつも
中身はルーク・エヴァンスの魅力に重心を置いたアイドル映画であり
「300 / スリーハンドレッド」のレジェンダリー・ピクチャーズらしい
ゴリゴリの力押しアクション大作でもある。
ルーク・エヴァンスは「悪魔城ドラキュラ」のシモン・ベルモントそのもの。




2014年の映画を振り返る(11月・12月編)

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2014年11月12月 映画まとめ



▼2014年の映画を振り返る(11月・12月編)



<11月1日公開>


エクスペンダブルズ3 ワールドミッション

老いてもなお元気なシルヴェスター・スタローンが
全世界から退役寸前のアクションスターを集めて
制作した「エクスペンダブルズ」の3作目。

「エクスペンダブルズ」の面白さは、長年通い慣れたスナックのようなもの。
常連客相手に手堅い商売をするママ(シルヴェスター・スタローン)に
見どころアリと見込まれたチーママ(ジェイソン・ステイサム)が
二人で切り盛りするバー「エクスペンダブルズ」の物語である。
本作では従来のお約束を守りつつ随所に若返りとバージョンアップが施されており、
シリーズでもNo.1の完成度になった。
古稀を過ぎたバーニー(スタローン)のロマンスもようやく省かれて
「007 スカイフォール」的な仲間割れの物語へと主題が移されたのも大正解。

映画 美女と野獣 実写版
美女と野獣

ディズニー版とは全くテイストの異なる原作準拠のダーク・ファンタジー。
監督は「サイレントヒル」のクリストフ・ガンズ。
ヒロインのベルには「アデル、ブルーは熱い色」のレア・セドゥ。
1946年公開のジャン・コクトー版を最新技術でリマスターしたような作りだが
「パフューム ある人殺しの物語」や「パンズ・ラビリンス」に通じる
エッセンスもふんだんに盛り込まれており、これはこれでかなり面白い。
野獣が王子へと戻るために必要な「真実の愛」が描き足りないことと
人間に戻った時の素顔がヴァンサン・カッセルでは王子様感が薄いのは惜しい。
せめてロマン・デュリスに出来なかったのだろうか。

映画 マダム・マロリーと魔法のスパイス
マダム・マロリーと魔法のスパイス

「大統領の執事の涙」のオプラ・ウィンフリーとスティーヴン・スピルバーグが製作を、
「サイダーハウス・ルール」「砂漠でサーモン・フィッシング」の
ラッセ・ハルストレムが監督を務めたヒューマンドラマ。
南フランスで人気を集めるミシュラン1つ星レストランの真正面に
インドから新天地を求めてやってきた家族が突然インドレストランをオープンさせる。
最初のうちは大音量のBGMやスパイスの香りを苦々しく思うマダムだったが
家族経営の店で腕を振るう若きシェフに料理の才能があることを見抜く。

高慢な女主人を演じるヘレン・ミレンは最初こそただの嫌な女だが
厳しさと愛らしさを内包し、亡き夫の店を守るため
プロフェッショナルに徹する姿が物語に深みを与える流石の芝居。
物語の構成はハルストレム監督の名作「ショコラ」に近く
よそ者を排除しようとする田舎町のアレルギーを
美味しい料理が優しく溶かしていく流れ。
多くの日本にとってのミシュランはモンドセレクションの上位版程度の認識だろうが
フランスでは星の数がその店の全てを左右するのだということが良く分かる。



<11月8日公開>

映画 トワイライト ささらさや
トワイライト ささらさや

落語家の物語にしてはオチが弱い。



<11月14日公開>

映画 6才のボクが大人になるまで。
6才のボクが、大人になるまで。

オーディションで選ばれた少年エラー・コルトレーンが
6才から18才になるまでの12年間、毎年少しずつ映像を撮り溜めて完成させた
気が遠くなるほど手間ひまをかけた家族ドラマ。
監督は「スクール・オブ・ロック」のリチャード・リンクレイター。
父親役のイーサン・ホークはリンクレイターと「ビフォア」シリーズでも組んでおり
どちらも10年単位の時間がかけられている。
撮影の過程で誰かひとりでも欠ければフイになってしまう
極めてリスクの高いプロジェクトを完走したメンバー全員の
チームワークがあってこその作品。



映画を観て私が真っ先に思い出したのが、
息子の写真を21年間撮り続けてきた56才の男性が
約7,500枚にも上るアルバムからピックアップしYouTubeに投稿した上の動画。
映画は超高速再生により21年間をわずか6分で振り返るこの動画を
もう少し要所要所に絞ってじっくり描いたような作り。

監督によると、シナリオは大まかにしか設定しておらず
息子の趣味(写真)やハマっていること(音楽、映画など)についても
撮影時にヒアリングして取り入れていったという。
映像は全て本人なのだから、突然別人になったりしない。
2時間40分をかけ、6才の少年が本当に18才になっていく様を見ていると
「あっという間だった」とこぼす母親と観客の心がぴったりシンクロする。

同じ企画を起ち上げたところで完成にはまた12年かかるわけで、
ある意味これは一度きりの禁じ手とも言える。
来年発表になるオスカーの最有力とも言われているが、さて結果はどうだろう。

映画 デビルズ・ノット
デビルズ・ノット

アメリカを震撼させた未解決事件「ウエスト・メンフィス 3」を題材にした
ノンフィクション小説を「クロエ」のアトム・エゴヤン監督が映画化したミステリー。
「たとえ10人の真犯人を逃すとも、1人の無辜(むこ)を罰するなかれ」の精神が
守られていないのは万国共通なのだと痛感させられる。
「お前みたいな奴は殺っているに違いない」という決めつけから始まる捜査は、
最初から決めた結論に辿り着くためには手段を選ばない。

18年の刑期を終えて社会復帰を果たした少年達は既に三十代半ばになっていて
疑わしいだけで罰せられてしまった彼等の青春はもう取り戻せない。
事件の真相を求める会の名簿に被害者の母親までが名を連ねているのは何故なのか。
犯人を殺したいと願ってもおかしくない母親が不可解だと感じるほどの杜撰な捜査と、
結論ありきで進行する劇場化した裁判。これは一体誰を裁くためのものだったのか。

3人の無辜に有罪の判決が出るまで、演出は徹底的に冷静さを保っている。
別の誰かを名指しするでもなく、ひたすら事実だけを積み重ね
精査しようとするこの丁寧さこそが本来の捜査で求められた姿であったろうに。
コリン・ファース、リース・ウィザースプーン、デイン・デハーンら
華やかさを消すことも出来る達者なキャストも皆素晴らしい。

映画 ショート・ターム
ショート・ターム

これが長編2作目となる期待の新鋭デスティン・ダニエル・クレットンが
虐待やネグレクトにより、親との同居が困難になった
子供達を受け入れる施設「ショート・ターム」での日常を描いたドラマ。
基本的には施設内での暮らしを数日分だけ切り取っているだけで
ドラマティックな出来事はほとんど起こらない。
女性スタッフであるグレイスが施設内の少女に自分自身の過去を投影する過程は
この手のドラマでは定番の手法だが、本作は作り事のような感動的な着地を目指さず
「みんな手こずりながら生きている」ことをさらっと描くに止めている。

映画 神さまの言うとおり
神さまの言うとおり

定期的に製作されるティーン向け「ゲームにチャレンジ」系の映画。
あるある系のストーリーをあるある系の演出で撮った
二番煎じ・三番煎じの印象は否めず、旬の福士蒼汰で一本釣りを狙う
アイドル映画と捉えるのが正解。

映画 紙の月
紙の月

「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督の最新作。
映画出演は7年振りという宮沢りえの主演。
『中年の女性銀行員が若い男に入れあげて巨額の横領事件を起こす話。』
この女性週刊誌ネタにしかならなさそうな題材を使い、
社会からはみ出すことなく生きて来た女性が
丸裸の自分を見つめ直し、本能に従って生きようとする様を描いた
サスペンスに仕立て上げる仕事は吉田大八マジックの真骨頂。

原作には登場しない相川恵子(大島優子)、隅より子(小林聡美)の二人が
良いアクセントとなり、人間関係をほぼ銀行内だけに絞る大胆な改変を実行。
原作やドラマ版とは違う梅澤梨花像を作り出し
阪本順治監督の傑作「顔」の藤山直美に匹敵する悪女にしてしまった。
壁をぶち破ろうとする梨花が、頑に壁の中で生きるより子にとって
ある種の憧れを抱く存在に映るように組み立てられている。
梨花とより子は、実は深いところで繋がっている「同じ女」なのかも知れない。

映画 天才スピヴェット
天才スピヴェット

ジャン=ピエール・ジュネの新作は自身初の3D映画。
ライフ・ラーセンの小説「T・S・スピヴェット君 傑作集」をベースにした
ファンタジックなロードムービー。
天才少年のスピヴェットがたったひとりでアメリカ横断を敢行し
スミソニアン学術協会主催の授賞式に参加するまでのお話。

社会や家族などのコミュニティからはみ出してしまった人間を温かく包み込む
ジュネの演出はますます冴え渡り、絵本のようなビジュアルは
「アメリ」「ミックマック」から格段に進化している。
科学の分野では天才でも、心の内では「自分は両親に愛されていないのではないか」と
思い悩む可愛らしさを持っていて、そんな彼を旅先で出会う人々が大人へ導いてくれる。
ヘレナ・ボナム=カーターの母親が実に良い味。

映画 Peeping Life
Peeping Life - WE ARE THE HERO -

ユルい笑いが身上の「Peeping Life」がついに劇場用アニメに。
手塚&タツノコのキャラを起用しつつ、これまでの作品で活躍した
バカップルや腐れオタクもちゃっかり登場するあたり
ファンの心理を良く分かっていらっしゃる。
怪獣が街を襲っているのに一向に焦らない人々を見ていると
「やっぱり猫が好き」の「ブジラvs恩田三姉妹」を思い出した。



<11月21日公開>

映画 西遊記 はじまりのはじまり
西遊記~はじまりのはじまり~

原作者である鳥山明ですら言葉を濁すしかなかった
伝説の映画「ドラゴンボール EVOLUTION」に
製作として名を連ねていたのがチャウ・シンチーが
「EVOLUTION」の無念を晴らすべく
これでもかとアイディアを詰め込んで作ったアクション大作。
「西遊記」をモチーフにした前日憚で、
三蔵法師が孫悟空や沙悟浄、猪八戒らと天竺に旅立つまでのエピソードが描かれている。

(人は選ぶだろうが)コテコテな笑いを持つカンフー映画の楽しさと
「ドラゴンボール EVOLUTION」で実現させられなかった
飛び出すコミック的な楽しさを高次元で融合させた、
チャウ・シンチー完全復活を強く印象付ける快作。
「西遊記」と言えば夏目雅子と堺正章&ゴダイゴだろうなあなたも観るべし。

映画 インターステラー
インターステラー

私とは相性の悪いクリストファー・ノーラン監督で
久々に「これは!」と思えた傑作SF映画。
ちょっと長めのアトラクション的な「ゼロ・グラビティ」が
入門編なら、こちらは中・上級者向け。
専門用語が飛び交うノーランらしい脚本ではあるが
今作では物語の主軸を父娘モノに置いており
「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦士ガンダム」といった
日本産アニメの影響をそこかしこに見ることが出来るので思ったほど難解ではない。

長尺(169分)を感じさせない圧巻の映像と畳み掛けるような展開は
同じく今年公開された「トランセンデンス」(ノーラン製作)の比ではなく
フィルム撮影にこだわるノーランの職人気質は、
やはり役職が「監督」でなければ発揮されないのだと確信。
マシュー・マコノヒーはますます脂が乗り、マット・ディモンもヒール役が良く似合う。
ただ女性陣のアン・ハサウェイとジェシカ・チャステインは
配役が逆でも良かったような気がしないでもない。

いずれにせよ、ここを超えるSF映画は当分出て来なさそう

映画 想いのこし
想いのこし

事故で亡くなった4人の人間が生前やり残したことを
故人に代わって事故のきっかけを作った青年が叶える感動ドラマ。
いくら同じ監督とはいえ「ツナグ」と題材が似過ぎているし
本作ならではの見せ場も乏しい。



<11月28日公開>

映画 寄生獣
寄生獣

2014年度の邦画興収で見事ワンツーを決めた山崎貴監督の最新作。
今回も見事に「ど真ん中」狙いの安心設計。



<12月12日公開>

映画 ゴーン・ガール
ゴーン・ガール

ギリアン・フリンの同名ベストセラーを「ゾディアック」
「ソーシャル・ネットワーク」のデヴィッド・フィンチャーが映画化。
本当に近所で発生していれば井戸端会議レベルの事件を
これほどの吸引力でスクリーンに惹き付ける手腕は相当なもの。

世の女性はニック(ベン・アフレック)のだらしなさに激怒するだろうが
私はどちらかと言うとニックに同情してしまう。
つま先が震えるほどの背伸びをして、何とか手が届いた高嶺の花(エイミー)。
手に入れた瞬間は嬉しくとも、その後は永遠に身の丈以上の人生を強いられる。
疲れ果てたとき、手身近にあった小さな花が美しく映ったとして誰が責められよう。
田舎町に越してきたことで、思い描いていた理想の生活に影が挿した妻と
故郷に戻り友人や妹もいてどんどん腑抜けになる夫。
この二人の行く末は、辿り着くべくして辿り着いた当然の結果と言えよう。
ロザムンド・パイクの怪演だけでも観る価値あり。

映画 ホビット 決戦のゆくえ
ホビット 決戦のゆくえ

ピーター・ジャクソンの「ホビット」三部作がいよいよ完結。。
街を燃やす尽くさんばかりの迫力でスマウグが暴れ回る序盤から
シリーズを彩って来た豪華キャストが全陣営入り乱れての総力戦へとなだれ込み
完結編の名に相応しい展開が目白押し。
ガンダルフとビルボ・バギンズの友情物語と
リーダーとしての資質を身につけるトーリンの成長物語を二本柱とし
脇のキャラクターそれぞれにもしっかり見せ場を用意する周到な脚本。
戦につきものの哀しい別れも描きつつ、最後は明るい幕引きになっているのもいい。
ビリー・ボイドが歌うエンディングがまた素晴らしい。

映画 アオハライド
アオハライド

「桐島」「ごちそうさん」の貯金をこの1年で食い潰した東出昌大は来年が正念場。



<12月20日公開>

映画 バンクーバーの朝日
バンクーバーの朝日

「舟を編む」「ぼくたちの家族」の石井裕也監督とは思えない凡作。
差別と闘った野球ドラマなら昨年公開された「42 世界を変えた男」をお薦め。

映画 ベイマックス
ベイマックス

サンフランシスコと東京の街並を融合した
架空の都市『サンフランソウキョウ』を舞台に
大好きな兄タダシを火災事故で失った14歳の弟ヒロと、
タダシの忘れ形見として遺されたケアロボット・ベイマックスとの交流を描いた物語。

過激な設定のマーベルコミックもディズニーの手にかかれば
あっという間にファミリー層に愛される感動作に。
人の心の傷までも治してくれるケアロボットと兄を失った少年との関係を膨らませ、
ベイマックスのキャラクターデザインも可愛くアレンジされている。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に通じる
ど派手で賑やかなヒーロー活劇としての楽しさも充分備わっているので
「Mr.インクレディブル」がお好きならかなりお薦め。




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